1964年の国立競技場をカラー化…五輪陸上競技スタートの日に空撮
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読売新聞の新企画「Color the News」では、モノクロでしか見ることができなかった昔のニュース写真を、AIの力を借りてカラー化している。今回、カラーライズしたモノクロ写真は、1964年10月14日の航空写真である。10月10日に開幕した東京オリンピックは、5日目のこの日、いよいよ注目の陸上競技がスタートした。(写真中央の白丸を左右に動かすと、モノクロとカラーを比較できます。右いっぱいでオリジナルの白黒写真、左いっぱいでカラー化した写真となります)
2021年…変わらず残るのは新宿御苑
舞台となる国立競技場は、もちろん開会式で世界にその姿を披露しているが、純粋な意味での競技場としては、これが五輪デビューの時だった。読売新聞も記念すべき日として取材ヘリを飛ばし、空撮したと思われる。
陸上競技の初日を報じる紙面には、「雨中、陸上始まる」と見出しがついている。空撮時、天気はくずれていなかったものの、好天とは言えなかったようだ。

元画像のネガ・フィルムを分析したところ、レンズに赤色系フィルターを装着して撮った形跡があった。視界があまりよくない場合、こうしてモノクロ撮影すると遠景が明瞭に写る。だが一方で、赤い色が明るく強調され、他の色にも変化が生じる。モノクロ画像として見る限り、それは大きな問題ではないが、彩色する人工知能(AI)は混乱した可能性がある。例えばAIは今回、茶色である陸上トラックや、緑であるフィールドの色などをほとんど判断できなかった。
今回の写真は、新宿御苑などの木々を除けば、大半がAIの苦手とする人工物だったため、写真記者の手で補色した部分が多い。
※本企画のカラー化にあたり、早稲田大学理工学術院・石川博教授の研究室が開発した自動色付けシステムを、許諾を得て使用しています。