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しんかい6500 未知に潜って30年

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駿河湾沖で母船からつり上げられた「しんかい6500」。この日は3人の乗員を乗せ、水深3500メートルの海底に向かい潜航した(3月10日、静岡県御前崎市の南東約50キロ沖合で)=大原一郎撮影
駿河湾沖で母船からつり上げられた「しんかい6500」。この日は3人の乗員を乗せ、水深3500メートルの海底に向かい潜航した(3月10日、静岡県御前崎市の南東約50キロ沖合で)=大原一郎撮影

 巨大なクレーンにつり上げられた海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」が、陽光を浴びて輝く青い海に着水した。気泡を出しながら海底を目指し、毎分45メートルの速さでゆっくりと沈んでいく。

 地球の表面積の約7割を占める海の90%超が水深200メートルより深い「深海」とされる。6500メートルまで潜れる同船は、調査潜航開始から今年で30年、地震のメカニズムや海洋生物など世界の深海調査研究をリードし、1600回近い潜航を無事故で行ってきた。

 先代潜水船から計432回の潜航経験を持つ操縦士の桜井利明さん(61)は、「研究者の『この目で見たい』という好奇心に応えてきてくれた」と振り返る。

潜航中の船内で機器をチェックする操縦士たち。大水圧に耐えられるようチタン合金で真球に作られた耐圧殻内には3か所ののぞき窓や計器類、酸素ボンベなどが所狭しと並ぶ。最後の潜行となった桜井利明さん(右)は、数多くの発見に立ち会ってきた
潜航中の船内で機器をチェックする操縦士たち。大水圧に耐えられるようチタン合金で真球に作られた耐圧殻内には3か所ののぞき窓や計器類、酸素ボンベなどが所狭しと並ぶ。最後の潜行となった桜井利明さん(右)は、数多くの発見に立ち会ってきた
深海に生息するシロウリガイの上を漂う食品包装のプラスチックごみ。水深約1160メートルの映像が母船のモニターに映し出された
深海に生息するシロウリガイの上を漂う食品包装のプラスチックごみ。水深約1160メートルの映像が母船のモニターに映し出された

 水深6500メートルは指先に小型車が乗るほどの大水圧がかかる。直径2メートルのコックピットに搭乗できるのは操縦士と研究者の3人だけ。3月の潜航を最後に一線を退いた桜井さんも幾多の発見に立ち会ってきた。

母船の格納庫で整備のため分解される「しんかい6500」。どんな不具合も運航チーム総出で整備し、万全を期す
母船の格納庫で整備のため分解される「しんかい6500」。どんな不具合も運航チーム総出で整備し、万全を期す

 インド洋での巨大イカの新種発見や東日本大震災震源域での海底の大きな亀裂――。数多くの実績を持つ「しんかい」は、生態系に深刻な影響を及ぼす海洋プラスチックごみ問題でも研究の一端を担う。

 房総半島沖水深6000メートル付近の海底で、大量のレジ袋や食品包装、直径5ミリ以下のマイクロプラスチックを確認。黒潮で運ばれたごみが大深度の海に集積している実態を捉えた。

 新しい役割にも期待がかかる。海洋研究の人材発掘のため、乗船機会を大学生らにも開放する「体験航海」だ。これまで2回の航海で計6人が乗り込んだ。

 同機構の高井研・上席研究員(51)は「目で見る感覚や体験は何物にも代えがたい。『しんかい』でしか出会えない未知の世界を感じてほしい」と話している。(写真と文 大原一郎)

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2127364 0 トピックス 2021/06/25 05:00:00 2021/06/25 10:01:34 駿河湾沖で母船からつり上げられたしんかい6500。この日は3人の乗員を乗せ、水深3500メートルの海底に向かい潜航した(3月10日、静岡県御前崎市の南東約50キロ沖合で)=大原一郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210624-OYT8I50058-T.jpg?type=thumbnail

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