王さん・長嶋さん全盛期の宮崎キャンプ、カラーで再現

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 読売新聞の企画「Color the News」では、モノクロ(白黒)でしか見ることができなかった昔のニュース写真を、AIの力を借りてカラー化している。今回カラー化したのは1964~66年(昭和39~41年)、巨人軍の宮崎キャンプで撮った王貞治さんと長嶋茂雄さん、ON全盛期の写真である。

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東京オリンピック開催年の「ON」

 1枚目の写真は、東京オリンピックが開かれた年、1964年1月26日撮影の宮崎キャンプ。1月にキャンプインというのは、時期としてはかなり早い。それは、東京五輪が開幕する10月10日までにプロ野球の全日程を終わらせるため、キャンプと公式戦のスケジュールが繰り上げられたからだ。

 シーズンを終えた王選手と長嶋選手は、報知新聞社の特別記者として東京オリンピックを取材する。その際、五輪コンパニオンを務める女性たちとONの座談会が行われ、長嶋選手は伴侶となる西村亜希子さんを射止めたのである。長嶋さん夫妻のなれそめは当時、「五輪の恋」として大変な話題となった。

 さて、この写真のカラー化だが、AIはやはり、ユニホームやウィンドブレーカーの色に悩んだらしい。胸に「TOKYO」とある巨人のビジター用ユニホームは「グレーがかった薄いブルー」という微妙な色合いだが、AIは当たり障りのないグレーを選択した。傍らに立つ荒川博コーチが着ているウィンドブレーカーの色も判断が難しかったようだ。

 しかし、モノクロ原画が撮影された頃は、スポーツ週刊誌にカラー写真がわずかながら載り始めていた。また、巨人の選手が登場する「ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗」というカラー映画も製作された。ユニホームやウィンドブレーカーの色は、こうした画像や映像を参考に補色している。

CM撮影中の長嶋さん

 2枚目の写真は、CM撮影中の長嶋さんの写真である。ユニホームの色は前述のように解決しているが、次にAIが悩んだのはグラウンドの芝の色だ。

 AIは、形状から植物と判断すれば緑色にする。そのため、グラウンドの外野の芝にAIはきれいな緑色をつけた。しかし、日本でグラウンドの芝生が研究・整備され、1年を通して緑色になったのは、1980~90年代からだ。それ以前は、秋の後半から冬そして春先まで、緑の芝生はまず無かった。甲子園や国立競技場でさえ、枯れ芝であった。

 このため、グラウンドの芝の色は、AIが緑色と判断しても、枯れた芝の色に変更している。AIが撮影時点の状況を学習するには、まだ時間が必要ということだろう。

 ちなみに、1枚目の写真の地面の草地については、AIがつけた緑色にしている。これはグラウンドの芝生とは違い、雑草地なので不自然ではないと判断した。

巨人軍の定宿にカメラマンぞろり

 3枚目の写真は、カラー化に際してはあまり難航していない。巨人が70年代まで宮崎キャンプの定宿としていた旅館での光景だ。それにしても、当時のカメラマンたちの図々しさ、王選手と荒川コーチの寛容さは驚きである。

※本企画のカラー化にあたり、早稲田大学理工学術院・石川博教授の研究室が開発した自動色付けシステムを、許諾を得て使用しています。

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2853333 0 トピックス 2022/03/22 09:00:00 2022/03/22 09:00:00

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