その他
読売新聞のメディア
購読のお申し込み
読売新聞オンラインについて
コロナウイルスは元々ありふれた風邪を引き起こすウイルス。新型コロナウイルスでも半分の人は感染しても気づかなかったり、風邪の症状で終わったりすることが多い。けれども、一部の人では重い肺炎を起こすなどし、時に命に関わる。
風邪の場合、ウイルスは主に鼻の奥やのどで増え、症状もせきやのどの痛み、鼻水などが目立つ。一方、肺炎になると、ウイルスは呼吸器の奥へ広がり、息切れがして呼吸困難になる。新型コロナウイルスは、通常の風邪ウイルスよりも肺炎を起こしやすい傾向がある。治療と予防法の研究が、世界中で急がれている。
致死率
2.9%
(2020/10/6現在)
約106万人
約3,652万人
致死率
9.6%
(2003年に終息宣言)
774人
8,098人
致死率
34.4%
(2019年11月現在)
858人
2,494人
出典:WHO、国立感染症研究所
2019年12月に中国湖北省で最初の感染者が出て、20年3月上旬には世界で10万人、4月上旬に100万人、10月には3600万人に達するなど、感染拡大の勢いは収まらない。致死率は、10月6日現在の世界全体で2.9%、日本では1.9%だ。無症状で検査を受けていない感染も考慮すると、実際の致死率はさらに下がるだろう。
ウイルスが感染する力は、1人の感染者が何人にうつすかで表される。1人を超えれば感染拡大、1人未満であれば減少し流行収束に向かう。世界保健機関(WHO)は、1.4~2.5人とみている。インフルエンザは約2人で、同程度といえる。だが、感染の広がりは衛生状況や対策次第で変わる。国内では、8月下旬に東京と大阪で0.9、それ以外はさらに少なかったが、引き続き、清潔を保ち、「3密(密閉、密集、密接)」を避けることが大切だ。
感染がわかった人の5割は軽い風邪か、ほぼ無症状で終わる。3割は、発熱などでつらい状態になるが、入院までには至らない。残る2割が、悪化して入院が必要になる。人工呼吸器など集中治療が必要になる重症者は、5%程度とみられている。
主な感染経路は、せきやくしゃみから出たしぶきを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスがついた手すりなどを握り、その手で口や鼻、目を触りウイルスが体内に入る「接触感染」の二つ。
濃厚接触の英語は「close contact」で、「近い」「密接な」接触を指す。具体的には、感染者や感染が疑われる人との同居や、車内や航空機内で長時間一緒にいること、会話が出来る距離(2m以内)で一緒に過ごす場合などを指す。職場や宴会で、近い距離で長時間過ごすと濃厚接触となりうる。
WHOは、新型コロナウイルスは外で「数時間から最大数日間」生きるとしている。米国立衛生研究所(NIH)の報告によると、エアロゾル(飛沫)で3時間、段ボールの表面で24時間、ステンレスの上では2、3日生きることもある。他の研究では、一般的な風邪の症状を起こすコロナウイルスは3時間、インフルエンザウイルスは1~2日、重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスは3~4日などと報告されている。