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    腕時計

    [PR]ジュネーブ時計展2018 機能に見た情熱

    • 28回目を迎えた国際高級時計展(SIHH)
      28回目を迎えた国際高級時計展(SIHH)

     国際高級時計展(SIHH)が1月中旬、スイスのジュネーブで開かれた。今年で28回目を迎え、機械式時計のトレンドにとどまらず、富裕層マーケットにも大きな影響を与える。バーゼルの時計見本市に参加していたエルメスが新たに出展するなど、5日間の期間中、35ブランドが新作を発表し、イベントは華やかに盛り上がった。各ブランドが培ってきた高度な技術力や企画力を象徴するハイエンドな機械式時計を中心に新作を紹介しよう。

     SIHHの醍醐味は、何といっても機械式時計の限界に挑むような複雑で華やかな新作と出会えることだ。今回も各ブランドの技術力を結集した、「ジュネーブならでは」の繊細で複雑な機能を盛り込んだ超絶時計に目がとまった。

    • A.ランゲ&ゾーネ「トリプルスプリット」の巨大模型
      A.ランゲ&ゾーネ「トリプルスプリット」の巨大模型

     ブース中央に今回発表した機械式クロノグラフ「トリプルスプリット」の巨大な模型を展示したのは、A.ランゲ&ゾーネ。シースルーバックからのぞく複雑な機構の美しさが、来場者の目を奪った。

     トリプルスプリットは、二つの時間を最長12時間計測して比較できる世界初の機械式クロノグラフだ。例えば、マラソン競技なら1位と2位の選手のタイムを時、分、秒の単位で正確に計測できる。2004年に発表したダブルスプリットの計測時間は最長30分だったが、今回の新作では最長12時間まで計測できるようになった。

    • トリプルスプリットは9月以降発売予定。参考予価 13万9000ユーロ(ドイツ国内VAT込み)
      トリプルスプリットは9月以降発売予定。参考予価 13万9000ユーロ(ドイツ国内VAT込み)

     実機を手にすると、精悍(せいかん)な文字盤と新規開発されたムーブメントの複雑さの対照に驚く。厚さ15.6ミリのホワイトゴールドのケースに納められたムーブメントは何層にもなり、丁寧に仕上げられた歯車、レバー、バネ、クラッチなどが緻密に組み合わされ、統制されて滑らかに動く様はブランドの物作りの姿勢を象徴しているようだ。限定100本。

    • ピアジェの「アルティプラノ」アルティメート・オートマティック。6月発売予定、ホワイトゴールド予価325万円(税別)、ピンクゴールド予価312万5000円(税別)
      ピアジェの「アルティプラノ」アルティメート・オートマティック。6月発売予定、ホワイトゴールド予価325万円(税別)、ピンクゴールド予価312万5000円(税別)

     薄さに挑んだブランドの取り組みも目を引いた。代表格はピアジェだ。ケースの厚さ

     4.3ミリの自動巻き「アルティプラノ」アルティメート・オートマティックを発表。同社は1957年に極薄の手巻きムーブメントを発表しており、どれだけケースを薄くできるかは「ピアジェのDNA」でもあるという。

    • ピアジェの「アルティプラノ」アルティメート・コンセプト。発売時期、価格未定
      ピアジェの「アルティプラノ」アルティメート・コンセプト。発売時期、価格未定

     さらに、コンセプトモデルながら厚さ2ミリの手巻き腕時計「アルティプラノ」アルティメート・コンセプトも披露。研究開発に4年をかけ、コバルト基ハイテク合金を使ったケースは、外装パーツとムーブメントの地板を兼ね、サファイアクリスタル製の風防もギリギリまで薄くした。五つの特許を出願中で腕時計を真横から見ると、ストラップと一体になっているように見える。

    • オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク RD♯2」。発売時期、価格未定
      オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク RD♯2」。発売時期、価格未定

     オーデマ ピゲも、パーペチュアルカレンダー機構を搭載した自動巻き機械式時計として最も薄い「ロイヤル オーク RD♯2」を見せた。コンセプトモデルのため販売時期は未定だが、ケースの厚さは6.3ミリと技術力を見せつけた。さらに薄くすることもできたというが、ワイシャツの袖下に納まる最適な厚さを実現。1972年の誕生後、既に46年を経ている「ロイヤル オーク」という名作時計の新たな可能性をうかがわせたモデルとなった。

    • リシャール・ミルの「RM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ」。年内発売予定、予価1億230万円(税別)
      リシャール・ミルの「RM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ」。年内発売予定、予価1億230万円(税別)

     リシャール・ミルは、「RM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ」という新作でポロ競技のスーパースター、パブロ・マクドナウへオマージュを(ささ)げた。ポロは日本ではなじみの薄いスポーツだが、馬上のプレーヤーが「マレット」と呼ばれるスティックで球を打ってゴールに運ぶ競技はタフで、その際の激しい衝撃に耐えられる時計として開発された。

     2枚のサファイアクリスタルで、ポリビニールのフィルムを挟んだラミネート加工でムーブメントを守る。こうすることで、マレットで、すさまじい衝撃を受けたとしても、ひびが入るだけで砕け散ることはないという。また、搭載したトゥールビヨンを衝撃から守るため、ケーブルを使ってムーブメントをケース内部でつるすサスペンション構造を採用。スポーツでの着用を通して、耐衝撃性を強調する機械式時計の新しい取り組みとなった。

    • ヴァシュロン・コンスタンタンの「メティエ・ダール・レ・アエロスティエ」。4月以降入荷予定、予価1690万円(税別)、ブティック限定
      ヴァシュロン・コンスタンタンの「メティエ・ダール・レ・アエロスティエ」。4月以降入荷予定、予価1690万円(税別)、ブティック限定

     工芸的な物作りと、時計の精巧なデザインを融合させたのが「メティエ・ダール・レ・アエロスティエ」を発表したヴァシュロン・コンスタンタン。18世紀後半にフランスで行われた熱気球の飛行をモチーフに5種類の腕時計を発表した。

     まず文字盤。彫金によって仕上げられたゴールドの熱気球がステンドグラスのような半透明のプリカージュ・エナメルの背景に浮かび上がる。日時は、独自に開発したムーブメントによって文字盤の四隅に設けられた窓を通して表示するといったこだわりようだ。

    • ヴァン クリーフ&アーペルの「レディ アーペル プラネタリウム」。4月発売予定、予価2730万円(税別)
      ヴァン クリーフ&アーペルの「レディ アーペル プラネタリウム」。4月発売予定、予価2730万円(税別)

     ヴァン クリーフ&アーペルは2014年に発表した天体の運行をモチーフにした複雑時計の女性版「レディ アーペル プラネタリウム」を見せた。直径38ミリのケースの中に太陽系を回る星々を描き出した。ピンクゴールドの太陽の周りをグリーンエナメルの金星、ターコイズの地球など、実際の惑星や衛星などの周期をほぼ忠実に再現している。

    • カルティエの「ロトンド ドゥ カルティエ レヴェラシオン ドゥヌ パンテール ウォッチ」。 4月発売予定、予価1150万円(税別)、グリーンとレッドは世界100本限定(写真は、Laziz Hamani© Cartier)
      カルティエの「ロトンド ドゥ カルティエ レヴェラシオン ドゥヌ パンテール ウォッチ」。 4月発売予定、予価1150万円(税別)、グリーンとレッドは世界100本限定(写真は、Laziz Hamani© Cartier)

     カルティエは新作の「ロトンド ドゥ カルティエ レヴェラシオン ドゥヌ パンテール ウォッチ」で、文字盤を漂う900ものゴールドビーズでブランドを象徴するパンテールの姿を描いてみせた。その表情は刻々と変化して、「時の(はかな)さ」の隠喩になっているかのよう。開発に5年をかけ、パンテールを浮き上がらせる液体などには二つの特許を出願中だという。

     いずれの時計も実用性を超えて、各ブランドが「時」とどのように向かい合ってきたか、その哲学を大胆に表現しているのが共通点だ。過剰とも思える機能や手作業を集積した一本の腕時計に、SIHHに参加するブランドのものづくりに対する情熱を実感した。(YOMIURI BRAND STUDIO クリエイティブ エディター/ライター 高橋直彦、広告局パリ駐在 阿部泰三)

    2018年03月07日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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