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    eスポーツ

    <4>eスポーツとは「未来」である/浜村弘一・JeSU副会長インタビュー

     ――世界保健機関(WHO)が「ゲーム依存症は病気である」という判断を示したことがニュースになりました。

     WHOの判断というのは、ゲーム依存症というより、オンライン依存症ではないでしょうか。極端なことを言えば、スマートフォンを置き忘れると、すごく不安になる人も含めての話です。分かりやすく、ゲーム依存症という言葉になっただけだと、ぼくは認識しています。

     昔から「ゲームのやり過ぎはよくない。ほかに楽しいものを見つけなさい」とよく言われてきましたが、そういう弊害がもしあるのだとしても、eスポーツは真逆です。ネット依存症の人はネットの世界で完結する自分ができてしまい、そこから出たくなくなるところが問題なのです。

     それに対してeスポーツは競技であり、相手に勝つためには集中力や精神力、持久力、体力を鍛えないといけない。マラソンをしたり、ジムに行ったりして、ネット依存症の人とは完全に真逆の状態になります。WHOが、eスポーツはネット依存症につながると認めたとは、受け止めてほしくないと思っています。

     ――野球もやり過ぎれば肘を痛めることがあります。

     日本では野球は完投する投手が偉いですけれど、大リーグでは完投なんてほとんどないじゃないですか。そういった意識の差があると思うんですよ。どこからがやり過ぎなのかは、国によって、人によって尺度が違いますから、それはこれから議論されていくことになるかと思います。

    「功罪」の議論を超えて

    • (イメージ)
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     ――浜村さん自身、ゲームは功罪の「罪」の部分をたたかれてきたとおっしゃってきました。

     そうですね。ゲームって常にそうでしたね。

     ――これから「功」の部分に光を当てていこうという意識を強くお持ちですか?

     eスポーツがその「功」の部分ですね。これまでゲームは暴力的な表現やエロの表現があるからと、ずっとたたかれてきて、Z指定(18歳以上対象)の基準が映画より厳しいんです。世界的に見ても日本のZ指定が一番厳しいと思います。これだけやってもたたかれる。ゲームは子どもの遊びと言われることが多くて、ゲームに対する理解もリスペクトも低い。

     でも、ヨーロッパではゲームクリエーターが「サー」の称号を得たり、アメリカでは21世紀を支えるキーマンとたたえられたりする。日本は世界でマイナーな国です。それが、日本がeスポーツで出遅れた原因の一つだと思うんです。だからこそ、われわれはゲームの「功」の部分を表すものとして、eスポーツを普及させていきたいと思います。

     ――これだけゲームが洗練された日本でeスポーツ市場が小さいのは意外です。

     そうですね。いろいろな原因がありますが、世界で人気のゲームがPC(パソコン)中心だったということがあります。日本は家庭用ゲーム機が主流で、PC中心ではなかったんです。また、大会の開催を規制するいろいろな法令があって、高額な賞金が出せなかった。結果的に日本の選手は海外に渡航せざるを得ない状況がありました。日本に居ながらにして大きな大会に出られて、経済的にもある程度、保証される環境ができれば、もっともっとスター選手が生まれて、それによってファンも生まれてくると思います。

     ――ありがとうございました。最後に、「eスポーツとは○○である」というフリップをお渡しするので、○○を埋めていただけませんか?

     (○○に「未来」と書いて)eスポーツとは「未来」だと思います。今までゲームは、ゲームをする人だけが楽しむものでした。でも今や、選手が活躍することで、ゲームをまったくしなかった人たちまでもがゲームの周りに集まってきます。プレーヤーも、友だちとただ遊んでいただけだったのが、世界に出ていってアスリートとしてスターになれるという未来がそこまで来ています。ぼくらゲームが好きな者にとっては、すごく明るい未来が待っている。そんなふうに思っています。

    (2018年7月、東京都内で)

    (聞き手・笠井智大、おわり)

    【連載】浜村弘一・JeSU副会長インタビュー
    <1>国内唯一のeスポーツ団体として
    <2>eスポーツはスポーツである
    <3>選手が活躍する場を作りたい
    <4>eスポーツとは「未来」である

    プロフィル
    浜村 弘一( はまむら・ひろかず
     一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)副会長、株式会社Gzブレイン会長。1961年、大阪府生まれ。85年、早稲田大学第一文学部卒業。ゲーム情報誌「ファミコン通信」(現・週刊ファミ通)創刊に携わり、92年から10年間、「週刊ファミ通」編集長を務めた。2018年2月、JeSU設立に伴い、副会長に就任。さまざまな角度からゲーム業界の動向を分析し、コラム執筆なども手掛ける。著書に「ゲームばっかりしてなさい。―12歳の息子を育ててくれたゲームたち―」など。

    2018年07月16日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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