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    スポーツ

    箱根からアジアへ…学生ランナーがトラックで挑戦

    読売新聞運動部 西口大地
     各チーム10選手が出場する箱根駅伝は、長距離のスペシャリストだけが走るわけではない。トラックの中距離などで活躍する一流選手が、その走力を生かして箱根路でも主軸を担うケースがある。今年1月の箱根駅伝に出場した館沢亨次(東海大3年)、塩尻和也(順天堂大4年)の2人はそんなランナーで、6月の日本選手権でそれぞれ1500メートル、3000メートル障害で優勝、8月18日に開幕するアジア大会(ジャカルタなど)に日本代表として出場する。

    館沢は日本選手権1500メートルで優勝

    • 日本選手権男子1500メートルで優勝した館沢(中央=2018年6月23日、伊藤紘二撮影)
      日本選手権男子1500メートルで優勝した館沢(中央=2018年6月23日、伊藤紘二撮影)

     館沢は日本選手権の1500メートルで、現役学生としては59年ぶりとなる2連覇を達成。強烈なインパクトを残した。

     決勝は、最も内側のレーンからのスタートだった。外側の選手に次々と進路をふさがれ、集団の後方へと追いやられたが、「焦って前に行かず、ここで落ち着いて隙を狙おう」と冷静にレースを進めた。残り500メートルを切ると、大外から徐々に位置を上げて、3番手で残り1周へ。「自分の武器」と誇るラスト200メートルからのスパート力を発揮して最後の直線で先頭に立つと、後続を突き放してゴールした。

     高校時代の世代トップ級が集まった「東海大黄金世代」の中でも、関颯人、鬼塚翔太と並ぶ中心選手として1年目から駅伝の主力で活躍した。

     一方で、「元々の持ち味であるスピードで勝負したい」という思いが強く、2年目のシーズンを前に、両角(はやし)監督に1500メートル挑戦を直談判した。関東学生対校選手権、日本学生個人選手権を立て続けに制すると日本選手権でも優勝、日本を代表する中距離ランナーとして名を挙げた。

     さらなる飛躍を目指す今季は、5月に3分40秒49の自己ベストをマークした。アジア大会代表の選考基準となる「アジアメダル期待記録」を満たし、日本選手権優勝と合わせて、最大の目標と位置付けていた代表切符を手にした。

     館沢が日本代表にこだわったのは、「自分の陸上人生を懸けて『日本の中距離は戦えない』という考えを覆したい」という強い信念があるからだ。

     日本の男子1500メートルは、2007年世界選手権の小林史和を最後に、五輪を含む主要世界大会の大舞台から遠ざかってきた。しかし、近年は館沢以外にも、昨年の日本ランキングでトップだった小林航央(筑波大4年)や、4月に日本歴代5位の3分38秒65を記録した舟津彰馬(中大3年)ら学生を中心に若手が切磋琢磨(せっさたくま)しており、館沢は「今の日本の中距離界は、レベルが高い方だと思う」とみている。

     アジア大会では「相手が格上だからといって臆せず、まずは決勝出場を目指す。そこから8位入賞、表彰台と、自分の中でどんどん目標を高くして挑んでいきたい」と宣言。箱根駅伝経験者としては1964年東京五輪の山口東一(中大)以来となる1500メートルでの五輪出場に向け、確かな一歩を刻みにいく。

    2018年08月15日 09時48分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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