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    自民党総裁選

    安倍3選~ざっくり分かる自民党総裁選 その仕組みと歴史

     安倍晋三首相の自民党総裁任期満了(9月30日)に伴う党総裁選は2012年以来、6年ぶりに選挙戦となり、首相が、石破茂・元幹事長を破り連続3選を果たしました。総裁選の仕組みと歴史を紹介するとともに、関連ニュースを随時、お伝えします。

    安倍首相が連続3選…自民党総裁選(9月20日)

    • 立ち上がって拍手に応える安倍首相(20日、自民党本部で)=青山謙太郎撮影
      立ち上がって拍手に応える安倍首相(20日、自民党本部で)=青山謙太郎撮影

     自民党の総裁選は20日午後、投開票が行われ、安倍晋三首相が連続3選を果たした。

     獲得票数は、議員票が安倍首相329票、石破茂・元幹事長が73票、党員票は安倍首相が224票、石破元幹事長が181票。合計で安倍首相553票、石破元幹事長254票だった。

    投票先は安倍氏51%、石破氏36%…党員調査(9月17日)

     読売新聞社は自民党総裁選(20日投開票)で、党員・党友の投票傾向に関する電話調査を行った。投票先は、安倍晋三首相(党総裁)51%、石破茂・元幹事長36%だった。党員票(405票)に換算して、安倍氏207票、石破氏146票となる。安倍氏は国会議員票との合計で7割の得票をうかがい、連続3選へ優勢を保っている。

     党員調査は14~16日、全47都道府県で実施し、総裁選の投票権を持つ党員・党友だと確認できた1675人から回答を得た。

     調査は、総裁選に立候補した安倍、石破両氏のうち誰に投票するか、または投票したかを聞いた。両候補の党員票の獲得票は、電話調査の結果を基に試算した。ただ、13%は投票先を明らかにしておらず、流動的な要素を残している。

    首相と石破氏、告示後初の直接論戦…自民総裁選(9月14日)

     自民党総裁選(20日投開票)に立候補した安倍晋三首相(党総裁)と石破茂・元幹事長は14日午前、東京・内幸町の日本記者クラブでの公開討論会に臨み、告示後初めてとなる直接の論戦を交わした。首相は、経済政策「アベノミクス」の柱である異次元の金融緩和を正常化する出口戦略について、「任期のうちにやり遂げたい」と述べ、新総裁任期の3年以内に方向性を明確にする意向を示した。

     首相はアベノミクスによって地方で有効求人倍率が上がり、若い就農者が増えていることなどを強調。引き続き、完全なデフレ脱却を目指す考えを示した。

     石破氏は、地方の中小企業で後継者不足が起きていると指摘。都市部と地方では「経済のメカニズムが違う」として「農業、漁業、林業、それぞれがどういう形で付加価値を上げていくかを具体的に示さなければならない」と訴えた。討論会の要旨は以下の通り。

    ■外交
     安倍首相 プーチン露大統領が、平和条約が必要という意欲を示したのは間違いない。今年11、12月の首脳会談が重要になる。(拉致問題の解決は)あらゆるチャンスを逃さないという考えで進めていく。
     石破茂・元幹事長 (拉致問題は)平壌(ピョンヤン)に日本の、東京に北朝鮮の連絡事務所をそれぞれ置くところから始めなければならない。

    ■憲法9条改正
     安倍氏 自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる環境を作る。
     石破氏 自衛隊を憲法に位置づけても「必要最小限」かどうかの問題は残る。

    ■災害対応
     石破氏 平時から対応するため、防災専門の行政部署が必要だ。
     安倍氏 全省庁で取り組む必要があり、糾合できるのは首相だけだ。

    ■信頼回復
     安倍氏 様々な文書の改ざんと行政を巡る問題で国民の不信を招いてしまった。私の責任であり、改めておわびしたい。今後は独立公文書管理監が公文書の管理を行っていく。
     石破氏 政府から出てくる数字が実際と違っていたり、撤回したりした。本当にきちんとした情報を提供したということになるか。もっと改善の余地がある。

    首相はアベノミクス継続訴え、石破氏は修正主張(9月10日)

     自民党総裁選に立候補した安倍晋三首相(党総裁)と石破茂・元幹事長は10日午前、党本部で立会演説会と共同記者会見に臨み、災害対応で自粛していた選挙活動を始動させた。首相は5年8か月の政権運営の実績を強調し、政策の継続を訴えた。石破氏は中小企業や地方重視の経済政策への修正を訴えた。

     首相は演説で、自身の経済政策「アベノミクス」に関し、「正社員になりたい1人の求職者に1人分以上の正規雇用があるまっとうな経済を取り戻した」と述べ、今後も格差解消などに取り組む姿勢をアピールした。記者会見では「自衛隊は安全保障の根幹だ。憲法に自衛隊を明記したい」と語り、自衛隊の根拠規定を明記する改憲に重ねて意欲を示した。

     石破氏は演説で、首相の経済政策について「働く人たちの所得は上がったのか。地方こそ成長の力だ」と述べ、中小企業や地方に重点を置く政策への転換を訴えた。記者会見では「自衛隊は必要最小限だから戦力ではないということを廃すべきだ」と語り、戦力不保持を定めた憲法9条2項を維持する首相の考えに異論を唱え、参院選の合区解消などを優先すべきだとした。

    自民総裁選が告示、安倍氏と石破氏の一騎打ちに(9月7日)

     自民党総裁選は7日告示され、連続3選を目指す総裁の安倍晋三首相(63)と、石破茂・元党幹事長(61)の2氏が立候補を届け出た。首相の政権運営に対する評価のほか、経済政策や憲法改正などが主な争点となる。国会議員票(405票)の投開票と党員票(同)の開票は20日に行われる。

     立候補の受け付けは、7日午前10時から党本部で行われ、首相、石破氏の順に届け出て、6年ぶりの選挙戦となった。一騎打ちは、福田康夫氏と麻生太郎氏が争った2007年の総裁選以来で、現職との一騎打ちは推薦人制度が導入された1972年以降初めて。

     自民党は、6日に北海道で発生した地震を受け、7~9日の選挙日程を自粛する措置を取った。両陣営とも7日は立候補の届け出のみで、予定していた所見発表演説会と共同記者会見は10日に延期された。候補者による論戦を伴わない異例のスタートとなった。

    ◆自民党総裁選の主な日程
    7日(金) 候補者届け出
    10日(月) 候補者の所見発表演説会(10時~)、候補者記者会見(11時~)
    14日(金) 日本記者クラブ主催公開討論会(午前)、党青年局・女性局主催公開討論会(午後)
    15日(土) 街頭演説会(京都、佐賀)
    16日(日) 街頭演説会(津、仙台)
    19日(水) 党員投票締め切り
    20日(木) 党員票の開票、国会議員票の投開票(13時~)

    【安倍氏に聞く】改める点は改め謙虚に 消費税上げ 予定通りに(9月1日)

    • 自民党総裁選について語る安倍首相(8月31日、首相官邸で)
      自民党総裁選について語る安倍首相(8月31日、首相官邸で)

     ――自民党は、どんな日本を実現するのか。
     「日本を取り戻す」との思いで5年8か月、改革にまい進し、誰にも働く場所がある経済を取り戻し、外交では日本の存在感を取り戻せた。来年以降は皇位継承や東京五輪・パラリンピックなど大きな歴史の転換点を迎える。結党以来の伝統と同様、自民党が新たな国造りを責任を持って進める。(政策幅の広い国民政党の性格は)変わらない。様々な人の意見に耳を傾けると同時に、決まったことは一致団結して実行するのが自民党の強さだ。

     少子高齢化に立ち向かう大きな目標を掲げ、支持をいただいた昨年の衆院選から、わずか11か月。消費増税分の半分を子育て世代に投資し、教育無償化を実行していく。

     ――海外では国民投票が首相退陣につながった例もある。憲法改正への覚悟は。
     次の国会に党の改正案を提出できるよう、とりまとめを加速する。(改憲項目の)優先順位は国会で議論してほしいが、憲法9条の問題から目をそらしてはならない。発議などのスケジュールは予断を持てない。憲法改正の国民投票は、日本をどういう国にするかとの観点で1票を投じるものだ。野党の支持者でも、改正したいと考えている方々もいるのではないか。政局的な観点で行われるのは避けるべきで、政権選択の投票ではないと、明確にしないといけない。その上で、党のリーダーとして決断する以上、大きな覚悟を持たねばならない。

     ――日米首脳会談をめぐる(トランプ大統領が「私は真珠湾を忘れない」と言ったとする)米紙報道は本当か。
     大統領とは信頼関係ができている。経済秩序などについての見方や、国益がぶつかることもあるが、主張すべきは主張する。(報道内容の)あのような文脈でああした話をしたことは全くない。冷静な議論をしてきている。大統領は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)(朝鮮労働党)委員長に(日本人)拉致問題についての私の考え方を伝えてくれた。次は私が金委員長と向き合い、安倍政権の間にこの問題を解決する決意で臨む。

     ――金融緩和の出口戦略をどう考えるか。
     日本経済はデフレ脱却に向けて確実に前進しているが、今後も成長戦略の手を緩めない。金融政策は黒田東彦(はるひこ)(日本銀行)総裁の手腕を信頼している。2%の物価目標に向け、着実に進むことを期待している。来年の消費税引き上げは予定通りだ。3%引き上げた時のような消費の落ち込みはあってはならない。思い切った対策をしたい。

     ――自身の政権運営で反省している点は何か。
     「こうすれば、もっと国民の理解が得られたのでは」という思いの連続だった。様々な課題で結果を出したが、大きな批判も受けた。特定秘密保護法、平和安全法制、テロ等準備罪の時もそうだったが。我が党は一致結束して支えてくれた。課題を進める推進力は、選挙での支持だった。改めるべき点は改め、今後も謙虚に丁寧に政権運営をしたい。

     ――石破茂氏との違いをどう訴えるか。
     政権奪還の選挙で幹事長として貢献し、地方創生相としても協力してくれ、感謝している。しかし、総裁選は真剣勝負だ。骨太の政策論を戦わせたい。(聞き手 政治部長・伊藤俊行)

     ◇安倍晋三◇ 成蹊大法卒。父・安倍晋太郎外相の秘書官を経て1993年衆院選で初当選。官房副長官、党幹事長、官房長官などを歴任し、2006年9月に首相就任。2007年9月に退陣したが、2012年12月に復帰を果たした。祖父は岸信介元首相。衆院山口4区。当選9回。63歳。

    【石破氏に聞く】党内民主主義を重視 国民政党の原点に(9月2日)

    • インタビューに答える自民党の石破茂・元幹事長(8月29日、国会内で)
      インタビューに答える自民党の石破茂・元幹事長(8月29日、国会内で)

     ――自民党をどんな政党にしたいと考えるか。
     勇気をもって自由闊達(かったつ)に真実を語り、国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させ、あらゆる組織と対話し、政策を決定する党運営をしたい。世界各国で政党の主張が先鋭化し、一部の人の考えしか代表しない傾向がある中で、自民党は国民政党という原点に立脚し、あらゆる人を代弁する政党であるべきだ。

     野党当時、安倍(首相)さんが総裁、私が幹事長だった3か月に決め、それを掲げて政権を奪還したものが、随分と変質した。昨年の衆院選で突如出てきた消費税の使途変更も、党内で議論されていない。これでは党内の議論が形骸化する。私は党内民主主義を大切にしたい。今回の総裁選でも、来年の参院選を控え、活発に議論する姿を党員以外にも見せることが力になる。討論の数を減らし、「閉じた選挙」にするのではなく、農業、介護などテーマごとに議論することが、党のため、国民のためになる。

     ――6年前の総裁選では議員票で安倍氏に逆転され、今回も所属国会議員の支持が広がらない。なぜか。
     私に、配分する(ポストなどの)「資源」がないからだろう。だから、現職(の総裁)相手は、大変なのだ。この6年間、誰よりも選挙の応援に行ったつもりだ。飯を食った、酒を飲んだという話は(支持拡大とは)関係ない。少なくとも私は、選挙の応援に来てくれた人には一生、恩義を感じている。

     ――憲法9条の改正では安倍首相と考えが大きく違う。
     私の言っていることは、安倍さんが幹事長時代に言っていたことと一緒だ。なぜ、変わったのか。国民はどうせ分からないだろうと考えていないか。分かってもらう努力を最大限にすべきだ。

     ――海外では国民投票が国を混乱させた例もある。
     参院の合区解消のように緊要性の高い時限性のあるものは急ぐべきで、国民が「そうだよね」と思ってもらえるもの、共産党も含めて賛同が得られる項目からやることが大事だ。国民投票をやったはよいが、国論二分、国政大混乱では、何が国益だろう。

     ――米国に自衛隊の常駐基地を置く構想を唱えている。
     地理的な制約もあり、陸上自衛隊と航空自衛隊は国内では十分に訓練できない。米国での訓練地を恒常化すれば、当然、在米自衛隊の地位協定が必要になり、在日米軍が日本で受ける地位と平等にするため、日米地位協定の見直しにもつながる。国民が日米安全保障条約を支持しなくなることが最も怖く、米国に常駐基地を置くことは、必ず大きな役割を果たす。

     ――金融緩和の「出口戦略」はいつまでに必要か。
     カンフル剤を打ち続けても病気は良くならない。「出口」の時期を言った途端、混乱が起きるので言ってはいけないが、米国の景気のピークアウトはいつか、中国の過剰生産、過剰設備投資は「一帯一路」だけで解決できるのか、そうしたことを考えるためにも、日本版NEC(国家経済会議)の創設を唱えている。

     ――「政治・行政の信頼回復」という主張の具体策は。
     政権を預かれば即日、担当大臣を据える。首相官邸、官僚機構、党、国会の4パーツに分けて、信頼回復の取り組みを進める。(聞き手 政治部長・伊藤俊行)

     ◇石破茂◇ 慶大法卒。銀行勤務を経て1986年衆院選で初当選。防衛相、農相、自民党政調会長、幹事長などを歴任。第2次安倍改造内閣で初代地方創生相を務めた。総裁選出馬は2008年、12年に続き3回目。2015年に石破派を結成した。衆院鳥取1区。当選11回。61歳。

    首相が議員票4分の3、石破氏に大差…読売調査(8月31日)

     読売新聞社は、9月7日告示、同20日投開票の自民党総裁選で、投票権を持つ同党所属国会議員(405人)の支持動向を調査した。連続3選を目指す安倍晋三首相(63)を支持する議員は307人で全体の約4分の3を占め、石破茂・元幹事長(61)の40人を大きく引き離して優勢を保っている。野田聖子総務相(57)は4人にとどまった。

     調査は岸田政調会長が不出馬を表明後の7月下旬から実施し、首相と石破氏、野田氏のうち、誰を支持するかを尋ねた。取材を加味し、351人について支持候補が判明した。首相は党内最大派閥で出身の細田派(94人)のほか、麻生派(59人)、岸田派(48人)、二階派(44人)、石原派(12人)の大半を固めた。

    野田氏「力不足、出直したい」…総裁選不出馬(8月31日)

     自民党の野田総務相は31日、国会内で記者会見を開き、党総裁選への出馬を断念すると表明した。総裁選は安倍首相(党総裁)と石破茂・元幹事長の一騎打ちになることが確実となった。

     野田氏は、「支えてくれた人の迷惑を考え、本日判断した。私の力不足だ。活動を止め、出直したい」と語った。総裁選で支持する候補者については、「これから決めたい」と述べるにとどめた。野田氏は派閥に属さず、無派閥議員を中心に推薦人集めを目指したが、出馬に必要な党国会議員20人の推薦を確保できなかった。

    石破氏の公約要旨(8月28日)

    • 石破茂・元幹事長
      石破茂・元幹事長

     自民党の石破茂・元幹事長の公約要旨は次の通り。

     【経済】政府内の会議を再編し、司令塔の「日本創生会議」で経済成長を図る。金融リスクに対応する首相直轄の経済金融総合対応会議(日本版NEC)を設置。
     【地方創生】「地方創生推進機構」を新設し、農林水産業などの支援を通じて中小企業や地域の活性化を図る。
     【社会保障】2050年を見据えて医療や介護、年金、子育てを一体的に議論する「社会保障国民会議」を創設。
     【外交・安全保障】北朝鮮の平壌に連絡事務所を開設。自衛隊の役割拡充。
     【憲法改正】スケジュールありきではなく、他党と丁寧に議論し、国民の理解を得ながら進める。
     【その他】「防災省」を創設。内閣人事局の運営方針を見直す。全省庁に公文書管理監を置く。幹部公務員に外部人材を積極登用。

    次の総裁、首相42%・石破氏36%…読売調査(8月27日)

     読売新聞社は24~26日、全国世論調査を実施した。9月の自民党総裁選に立候補を表明、または意欲を示している安倍首相、石破茂・元幹事長、野田総務相の3人の中で次の総裁にふさわしい人を聞くと、安倍氏42%、石破氏36%、野田氏10%の順だった。自民支持層に限ると、安倍氏が72%で、石破氏が21%、野田氏が4%となった。

     総裁にふさわしいと思う理由(複数回答)は、3人とも「ほかの人よりはよい」が最多。安倍氏を選んだ人の2位は「安定した政権運営が期待できる」、3位は「政策が評価できる」だった。これに対し、石破氏の2位は「政治理念が評価できる」、3位は「人柄が信頼できる」となった。

    総裁選出馬表明 首相の発言要旨(8月27日)

    • 安倍首相
      安倍首相

     安倍首相が記者団に語った発言の要旨は次の通り。

     5年8か月、内政、外交に全力を尽くしてきた。5回の国政選挙で、国民から安定的な政治基盤をいただき、誰にも働く場所がある真っ当な経済を取り戻し、外交では日本の大きな存在感を取り戻すことができた。
     少子高齢化、激動する国際情勢に立ち向かうとの思いで昨年、総選挙に打って出た。国民から大きな支持をいただいたのは11か月前のことだ。この負託に応えていくことは私の責任だ。
     来年は皇位の継承(があり)、日本で初めて主要20か国・地域(G20)首脳会議を開催する。さらに先には東京五輪・パラリンピックが開催される。日本は大きな歴史の転換点を迎える。今こそ、日本の明日を切りひらく時だ。平成の、その先の時代に向けて、新たな国造りを進めていく先頭に立つ決意だ。
     6年前、総裁選を戦った志には、いささかの揺らぎもない。この志を支える気力、体力は十二分であるとの確信に至った以上、責任を果たしていかなければならない。
     子供たち、孫たちの世代に、美しい伝統あるふるさと、誇りある日本を引き渡していくために、あと3年、自民党総裁として、首相として、日本のかじ取りを担う決意だ。
     総裁選の争点は、歴史の大きな転換点を迎える中、日本の国造りをどのように進めていくかだろう。骨太の議論をしていきたい。

    • 安倍内閣の歩みと成果
      安倍内閣の歩みと成果

    総裁選の仕組みと歴史

    Q.投開票の仕組みは?

     議員405票 党員も同数に

     総裁選では、党所属の国会議員と党員(党友を含む)が投票権を持つ。国会議員には1人1票が割り当てられる。議員票は405票(8月23日現在)だ。党員票は、国会議員と同数の405票となる。総裁候補は、議員票と党員票を合わせた810票をめぐって争うことになる。

     党の総裁公選規程によれば、〈1〉日本国籍を持つ20歳以上〈2〉総裁選の前年までに2年連続で年4000円の党費を納入した人――に選挙権を与える。

     ただ、今回の総裁選では、これらの要件を緩めた。先の公職選挙法改正で、国政選挙や地方選挙の選挙権年齢は「18歳以上」に引き下げとなった。これに合わせ、今回の総裁選は、特例で18、19歳でも党費を納めていれば投票できる。党費についても、2017年の1年間のみ納めれば、投票を認める。

     国会議員と党員では、投開票の日程や方法が異なる。党員投票は、総裁選告示日の9月7日から投開票前日の19日までに行われる予定だ。投票方法は、所定の往復はがきに候補者名を記入して返送する郵便投票や、党が設ける投票所での直接投票があり、都道府県連ごとに決める。

     各都道府県連は20日の午前中に開票する。党本部はこれらの開票結果を全国集計し、得票数に応じて、各候補にドント式で党員票を比例配分する。国会議員の投票行動に影響を与えないよう、開票結果は午前中には公表しない。

     2012年の前回総裁選では、党員票は都道府県ごとにあらかじめ持ち票を決め、各候補の得票数に応じてドント式で比例配分した。前回の都道府県単位よりも今回の全国単位の方が、各候補の得票総数をより正確に党員票に反映でき、「死票」を減らす利点がある。

     国会議員による投票は、党員投票の開票作業が終わった20日午後に行われる。自民党本部で投票箱に直接投票する。投票終了後すぐに開票し、党員票とともに結果発表となる。

     全国会議員が有効投票を投じた場合、国会議員票と党員票の合計810票の過半数(406票)を獲得した候補が当選する。

     1回目の投票で過半数を得た候補がいなかった場合、上位2人による決選投票で決着をつける。決選投票でも、国会議員は1人1票を持つため、議員票は1回目の投票と同じ405票ある。党員票は各都道府県に1票ずつ配分され、47票となる。党員投票の結果を都道府県別に再集計し、都道府県ごとに得票が多い方の候補に1票を割り振る。議員票と党員票を合わせた452票で争う仕組みだ。

    Q.立候補の条件は?

     自民党総裁候補になれるのは党所属の国会議員で、推薦人として国会議員20人を党内で確保しなければならない。推薦人は1955年の結党時には不要だった。しかし、その後、候補が乱立する総裁選が相次いだこともあり、党は1971年に出馬にあたって推薦人10人という要件を設けた。

     推薦人20人 無派閥は厳しく

     その後、推薦人の要件は1977年に20人、中曽根内閣が誕生した1982年には50人に引き上げられた。しかし、1989年以降は派閥横断的なグループなどからも出馬しやすくするため、徐々に推薦人の要件を緩めてきた。2002年に20人に減らして以来、今に至っている。2015年の前回総裁選では、出馬を模索した無派閥の野田聖子氏が推薦人を20人集められず、断念した。

     他党を見ると、国民民主党が7月、代表選候補の推薦人の要件を党所属の「国会議員20人」から、「国会議員10人・地方議員10人」に緩和した。国会議員が党内に62人しかいなかったためだ。国民に比べれば、自民党は400人超の国会議員を抱えており、「20人でも少ない」との指摘もある。

    Q.党員票 なぜ見直し?

    • 自民党県連で行われた党員投票の開票作業(2012年9月、盛岡市で)
      自民党県連で行われた党員投票の開票作業(2012年9月、盛岡市で)

     今回の総裁選は従来と比べ党員票の重みが格段に増す。2012年の総裁選まで300票だった党員票は、国会議員の票と同数の405票(8月23日現在)となる。候補3人以上が争い、1位候補が過半数に届かずに決選投票を行う場合、2012年総裁選までは国会議員のみの投票で決まった。今回は党員票として各都道府県に1票ずつ計47票が配分される。

     これらの見直しは2013、2014年の総裁公選規程の改正による。2015年の前回総裁選は安倍首相が無投票再選を果たしたため、今回の総裁選が選挙戦となれば、初めての適用となる。

     規程改正は、安倍首相が総裁に返り咲いた2012年の総裁選がきっかけだ。石破茂氏が党員票の55%を獲得したものの、議員票との合計で過半数に届かず、議員票のみの決選投票で安倍首相に逆転された。都道府県連などから「地方軽視だ」と不満の声が上がり、地方の意向をより反映させることになった。

     地方の意向 反映しやすく

     総裁選への出馬を目指す各氏は、比重が増した党員票の獲得に力を入れている。首相は、公務による地方出張の合間を縫って地方議員らとの懇談を重ねる。4月の大阪府をはじめ、北海道、滋賀県、埼玉県を訪問した。いずれも2012年の総裁選で石破氏に党員投票の得票数で敗れたところだ。西日本豪雨に見舞われた7月以降は、地方出張をなるべく手控えるようになった。その代わり、首相公邸に招いた党内の地方議員と昼食をとったり、写真撮影に応じたりしており、支持固めに余念がない。

     首相支持の細田、麻生、二階、岸田の4派閥は8月7日の幹部会合で、全都道府県で首相支持を呼びかける集会を開くことを決めた。

     石破氏は、週末のほとんどを地方回りに費やし、党支部などが主催する講演会で支持を訴えている。石破氏支持でまとまった参院竹下派は、医療や建設などの業界団体に強い。これらの団体は全国に根を張る組織だけに、党員への働きかけを期待している。

     出馬を模索する野田総務相も、8月7日の大阪府での講演から地方行脚を本格化させた。8日に農業経営者との意見交換を行うなど、党員票での知名度向上に懸命だ。

    「自民党をぶっ壊す」「男は一度勝負する」「天の声にも変な声」

    • 小泉純一郎氏
      小泉純一郎氏

     総裁候補同士の政治生命をかけた戦いはしばしば、歴史に残る名言も生んだ。記憶に新しいのは、2001年総裁選で「自民党をぶっ壊す」とした小泉純一郎氏の発言だ。

     当時の自民党内では、郵政事業民営化への慎重論が圧倒的だった。しかし、小泉氏は行財政改革のために断行すべきだと考え、街頭演説で「自民党を変える。変わらなければぶっ壊す」と訴えた。下馬評を覆す勝利を果たし、その後の長期政権の礎を築いた。

     総裁選の厳しさを表す言葉もある。1968年、佐藤栄作氏の3選が確実視されるなか、三木武夫氏は「男は一度勝負する」と言って出馬した。結局、総裁選では3度敗れ、田中角栄内閣退陣後の1974年、話し合いによって念願の総裁の座をつかんだ。

     三木氏に続いて総裁になった福田赳夫氏は、1978年の予備選で敗れた際、「天の声にも変な声がたまにはある」と言い残し、退陣した。

     (総裁選の仕組みと歴史は、8月24日付読売新聞朝刊より抜粋)

    2018年09月21日 09時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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