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読売新聞とも縁が深かった入力方式
私が読売新聞に入社した前年の1985年夏、各支局に富士通の「K-10(ケーテン)」と呼ばれる記事入力端末が一斉配備された。新聞社の業務が一気に電子化され始めた時期で、当時まだ手書きだった原稿を、オペレーターが日本語で入力してデータ化していた。猛烈なスピードでキーをたたくオペレーターの姿は実に格好よく、そこで活躍していたのが親指シフトだった。
「親指シフトは一度覚えると楽だよ」とオペレーターさんに言われ、冒頭のワープロ購入につながった。その後、時代は瞬く間に記者ワープロから記者パソコンへと移った。個人的には、若い頃にこの入力方式を習得できて、本当に良かったと感じる。マイナーな存在のため、環境を整えるのが大変な時期もあったが、今はネットのコミュニティーも充実し、教えてくれる人は多い。今後も新たなファンを獲得しながら、親指シフトは息長く使い続けられていきそうだ。