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    eスポーツ

    eスポーツ「パワプロ」開幕(上)熱気充満、日本一へ

     コンピューターを使った対戦型ゲームをスポーツ競技として捉えるeスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)への注目度が高まっている。日本野球機構(NPB)が12球団による野球ゲームのリーグを今月スタート。大規模な大会も相次いで開催されるようになり、プロのeスポーツ選手も誕生した。スポーツ界やゲーム業界の熱気があふれる現場に迫った。(運動部 畔川吉永、社会部 波多江一郎)

    • 「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」、巨人対阪神の開幕戦を前にステージで整列した選手たち(10日、東京都渋谷区で)=竹田津敦史撮影
      「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」、巨人対阪神の開幕戦を前にステージで整列した選手たち(10日、東京都渋谷区で)=竹田津敦史撮影

    日本一へ「パワプロ」開幕

     野球の家庭用ゲームで行われる競技会「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」が今月10日、東京都内で開幕した。セ・パの各チームに所属する合計36人のeスポーツ選手が、ファンが詰めかけ派手な演出がされた室内会場で、持てる技術をぶつけ合った。

     NPBとゲーム制作会社のコナミデジタルエンタテインメントの共催で、コンピューターゲームを使ったリーグはNPBにとっては初めての試みだ。

     初日は18試合が行われ、開幕戦に勝利した巨人の「てぃーの」選手(26)(本名・舘野たての弘樹さん)は「緊張感と高揚感があった」と、興奮気味に語った。

     11、12月のペナントレースと両リーグの上位3チームによる代表決定戦を経て、来年1月12日の日本シリーズで日本一を決める。プロ野球のオフシーズンを利用し、ゲーム好きの若い世代に野球の魅力を訴え、ファンを増やす狙いがあり、「(プロ野球の)日本シリーズの流れを受けた盛り上げが期待出来る」とNPBの高田浩一郎総合企画室長は話す。

     「パワプロ」シリーズは1994年の第1作以降、累計2220万本(2018年9月末時点)が販売され、インターネットでのダウンロードの件数も3800万件(18年9月7日時点)とコナミのゲームの中でも抜群の人気を誇る。「試合はネットで生配信され、ユーチューブなどでも楽しめる。プロリーグを見て、実際に球場に足を運ぶという人が増えるはず」とコナミの車田貴之プロモーション企画本部副本部長は言う。

     来季以降のリーグの開催方式などは決まっていないが、NPBでは、高額な賞金も出されている海外の大会や他競技の取り組みなどを研究し、各球団とも検討を重ねて、リーグの魅力をさらに向上させることを目指している。

     ファン感謝イベントにプロのeスポーツ選手を招いて、ゲームを実演したりファンとの対戦などを計画したりしている球団もあり、「将来は女性プロの誕生なども期待したい」(高田室長)という。リーグの可能性は大きくふくらんでいる。

    eドラフト巨人1位 てぃーの選手

    • 巨人対阪神の開幕戦でプレーする「てぃーの」選手(中央)
      巨人対阪神の開幕戦でプレーする「てぃーの」選手(中央)

     9月の「eドラフト会議」で1位指名で巨人入りしたのが、「てぃーの」選手(26)(本名・舘野弘樹さん)だ。「家族みんなが巨人ファン。(指名を)祈っていたので本当にうれしかった」と振り返る。

     札幌生まれで幼い頃から野球が大好き。小学生の頃から父親らと野球ゲームに熱中し、中学と大学では軟式野球部で俊足巧打のプレーヤーとしても活躍した。

     大学卒業後に上京。会社勤めの傍らゲームの腕を磨き、全国大会では上位の常連になった。今年7月、リーグがスタートすると知ると、「プロを目指せる位置にいる。やるしかない」と闘志を燃やした。

    「リーグ盛り上げるのが僕たちの役割」

     松井秀喜さん、高橋由伸さんらにあこがれ、ゲームでは常に長打を狙う。「『強振』が僕の身上。チームメート(「たいじ」、「ころころ」選手)も打力があるので、今季は打ち勝つ野球で日本一を目指したい」と話す。

     ゲームの種類にもよるが、反射神経や体力に加え、「集中力や先を読む力がeスポーツでは大事になる」という。今夏のアジア大会(インドネシア)で公開競技に採用されるなど、eスポーツへの注目度は急速に増している。「リーグが何年も続くよう、プレーで盛り上げることが僕たちの役割」と固い決意を持っている。

    (「パワプロ」開幕(下)へ続く)

    2018年11月15日 12時24分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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