サッカーの科学 : 企画・連載 : ワールドカップ2010 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)





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(1)本田の魔球ブレ 80センチも

FKからゴールを狙う本田。そのブレ球は、GKにとって脅威だ(昨年10月のスコットランド戦で)

無回転FK 時速100キロ超 軌道読めず

 「強烈なシュートで、少し特殊なボールだった」。(セビリアGKパロップ)

 今年3月16日、欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2戦、セビリア(スペイン)—CSKAモスクワ(ロシア)戦の55分。右サイドでCSKAがFKを得た。日本代表MF本田圭佑がけったFKは4人の壁の上を抜け、GKパロップの正面へ。パンチングではじき出そうとしたが、不規則に変化したボールを手に当てるのが精いっぱいで、ボールはそのままネットに吸い込まれた。

 これが決勝点となりCSKAは2—1で勝利。2戦合計3—2で8強に進んだ。

 本田がけったのは、いわゆる「ブレ球」。野球のナックルボールのようにほとんど回転しないで、上下左右、予測不能な軌道を描く。「速度が遅くてもナックルボールは投げられるが、ブレ球は時速72キロ以上の高速でないと見られない」とサッカーボールの風洞実験を行った山形大学の瀬尾和哉准教授は語る。

 名古屋大の布目寛幸准教授が、本田のブレ球を計測したところ、時速110キロでけり出されていた。ゴールまでの25メートルの間にボールが回転したのはわずか約0・8回転。布目准教授は「高速で大きく方向を変えるため、GKにとって脅威のシュートになる」と強調する。

 ブレ球はなぜ発生するのか。瀬尾准教授は、「無回転であることが重要。その高速の無回転ボールの周りの空気の流れが振動(不規則な変化)することで起こる」と指摘する。ボールの進行方向の裏側でボール表面を離れて、奇妙な馬蹄(ばてい)形の渦が形成される。この渦が不規則に向きを変え、ボールにかかる空気力が時々刻々変化する。これが上下左右に動くブレ球を生み出す。時速108キロの強シュートだと、1・5秒後に最大81センチ幅でぶれるという。

 ブレ球は昔からあったが、注目されたのは、前回ドイツ大会以降だ。公式球が、六角形と五角形の計32枚のパネルを組み合わせた手縫い製から、14枚のパネルを熱圧着したものになり、より球形に近づいた。表面の凹凸がなくなり、無回転シュートが出やすくなった。

 今回のW杯公式球「ジャブラニ」は、パネルがさらに減り8枚。瀬尾准教授は、「より球形に近づいた。ブレ球は同程度だが、前回公式球より空気抵抗が小さく、減速が小さい分、高速シュートが見られそうだ」と語る。今回もGK泣かせの大会となりそうだ。(5月26日掲載)

2010年6月7日  読売新聞)


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日程・結果
決勝・3位決定戦予定 (日付と時間は日本時間です)
決勝 オランダ 7/12
3:30
スペイン
3決 ウルグアイ 7/11
3:30
ドイツ
日本代表
  名前 所属 出場回数
GK 楢崎正剛 名古屋 4回目
川島永嗣 川崎
川口能活 磐田 4回目
DF 中沢佑二 横浜M 2回目
田中マルクス
闘莉王
名古屋
今野泰幸 F東京
岩政大樹 鹿島
駒野友一 磐田 2回目
長友佑都 F東京
内田篤人 鹿島
MF 中村俊輔 横浜M 2回目
遠藤保仁 G大阪 2回目
中村憲剛 川崎
稲本潤一 川崎 3回目
阿部勇樹 浦和
長谷部誠 ウォルフスブルク
本田圭佑 CSKA モスクワ
松井大輔 グルノーブル
FW 岡崎慎司 清水
玉田圭司 名古屋 2回目
大久保嘉人 神戸
森本貴幸 カターニア
矢野貴章 新潟