米に怒り「戦争のまっただ中にいる」中露へ接近

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10日、カラカスの最高裁で行われた就任式で宣誓するマドゥロ大統領(ロイター)
10日、カラカスの最高裁で行われた就任式で宣誓するマドゥロ大統領(ロイター)

 【リオデジャネイロ=田口直樹】独裁色を強める南米ベネズエラのマドゥロ大統領が10日、2期目(2019~25年)をスタートさせた。米国などによる非難に反発し、中国やロシアと関係強化を図る中、深刻な経済危機を改善できる見通しは立たない。国外に脱出する国民が増えるなど混乱が広がっている。

米国に怒り

 「ベネズエラは米国などの帝国主義によって仕掛けられた戦争のまっただ中にいる」。マドゥロ氏は10日、首都カラカスの最高裁判所で行われた就任式で演説し、米国などへの怒りをあらわにした。

 マドゥロ氏は昨年5月、有力な野党候補を事実上排除した形で行われた大統領選で再選された。米国や南米の周辺国は選挙の不正を指摘し、強権的なマドゥロ氏の2期目就任を認めていない。

 米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は10日、ツイッターに「腐敗した政権への圧力を強め続ける」と書き込んだ。米国は8日にベネズエラ政府の元高官らを対象とする追加の経済制裁を発動している。

 米国や中南米諸国が加盟する米州機構(OAS)も10日、マドゥロ政権の正当性を認めない決議を賛成多数で採択し、パラグアイは外交関係の断絶を発表した。ペルーもマドゥロ氏や政権幹部ら100人の入国禁止措置を明らかにした。

中露に接近

 米国などとの対決姿勢を強めるベネズエラが接近しているのがロシアと中国だ。

 ロシアとは昨年12月、核兵器搭載可能な爆撃機を使った合同演習を実施。マドゥロ氏はモスクワでのプーチン大統領との会談で、金融や石油などの分野での協力拡大で合意している。

 中国とも昨年9月、2国間関係の強化で合意した。北京を訪問し、習近平シージンピン国家主席と首脳会談を行ったマドゥロ氏は、ツイッターで「我が国の経済再建を兄(中国)が支援してくれる」と発信した。

 ロシアと中国には、ベネズエラとの関係を深めることで、「米国の裏庭」と呼ばれる中南米で存在感を高め、米国をけん制する思惑があるとみられる。

経済破綻

 世界最大級の原油埋蔵量を誇るベネズエラは2014年以降、原油価格の下落で外貨不足に陥り、政策の失敗もあって経済が破綻状態に追い込まれた。激しい物価上昇が続く中、マドゥロ氏は昨年8月にデノミ(通貨切り下げ)を実施したが、効果はなく、インフレ率は年内に1000万%に達すると予想されている。

 昨年10月に発表された民間調査機関の世論調査では、マドゥロ氏の退陣を求める意見が7割に上った。国民が国外に逃れるケースが相次ぎ、人口の1割に当たる約330万人がベネズエラを離れたという。

 ベネズエラ中央大のトリノ・マルケス教授は「政権が続く限り、貴重な労働力である若者らが国を離れ、高齢者や貧しい人だけが残る。経済再建は進まず、人道危機が悪化するだろう」と指摘している。

19089 0 国際 2019/01/12 08:13:00 2019/01/21 12:09:38 2019/01/21 12:09:38 Venezuela's President Nicolas Maduro is sworn in by Venezuela's Supreme Court President Maikel Moreno, during the ceremonial swearing-in for his second presidential term, at the Supreme Court in Caracas, Venezuela January 10, 2019. REUTERS/Carlos Garcia Rawlins     TPX IMAGES OF THE DAY https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190112-OYT1I50003-T.jpg?type=thumbnail

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