中国国歌、侮辱する替え歌に刑罰…香港条例案

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1日、香港で行われた民主派のデモ行進(AP)
1日、香港で行われた民主派のデモ行進(AP)

 中国の「一国二制度」下にある香港で、中国国歌に対する侮辱行為を禁じ、違反した場合は最高で禁錮3年の刑罰を科すことなどを盛り込んだ「国歌条例」の制定が進んでいる。民主派は「表現の自由を害する」と強く反発しているが、香港政府は23日に立法会(議会)に条例案を提出し、7月の休会前の成立を目指す方針だ。

 香港政府が9日に公表した草案によると、公開の場で国歌の歌詞やメロディーを変えるなどした場合、最高で禁錮3年、罰金5万香港ドル(約70万円)の罰則が設けられている。小中学校での国歌教育の実施や、立法会議員らの宣誓の際の国歌斉唱も規定されている。

 香港では、反中感情から、サッカーの試合などでの国歌演奏の際、たびたびブーイングが起きている。こうした行為が「侮辱行為」と認定されれば、取り締まり対象になる可能性がある。

 中国本土では2017年に「国歌法」が成立した。中国政府は、原則として中国の国内法が適用されない香港にも関連法規の整備を求めていた。香港政府は、「国歌を尊重してもらうことが狙いで、条例を処罰のために使いたくはない」としている。

 しかし、民主派の反発は非常に強い。香港政府が近年、中国政府の意向を受け、「言論の自由」などへの締め付けを強めているからだ。草案発表を受け、民主派は「条例を武器に反対意見を抑圧する動きだ」「一国二制度の原則に反する」との抗議声明を相次いで出した。ただ、立法会は親中派が多数を占め、条例は成立する公算が大きい。

住民に無力感

 強まるばかりの締め付けを前に、香港住民の間には無力感が広がる。

 元日恒例の民主化要求デモには今年、5500人(主催者発表)しか参加せず、過去最低を記録した。

 香港中文大が3日に発表したアンケート結果では、18~30歳の若者の51%が、31~50歳でも約44%が海外移住を考えていることが明らかになった。理由としては、「政治的論争が多く、社会の亀裂が深刻」との回答が25・7%と、「住環境が悪い」と並んで最多だった。「政治が民主的でない」が3位に、「中国政府に不満」が5位に入り、一国二制度が形骸化していく現状への嫌悪感がにじんだ。

 民主派政党・民主党の胡志偉主席は香港有力紙「明報」に、「『一国二制度』が『一国一制度』になることを防ぐ必要がある」と強い危機感を語った。(香港支局 角谷志保美)

19472 0 国際 2019/01/13 14:14:00 2019/01/21 12:14:22 2019/01/21 12:14:22 Pro-independence demonstrators march during an annual New Year protest in Hong Kong, Tuesday, Jan. 1, 2019. (AP Photo/Kin Cheung) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190113-OYT1I50001-T.jpg?type=thumbnail

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