露政権、北方領をロシア人450人に無償貸与

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 【モスクワ=畑武尊】ロシアのプーチン政権が2016年に始めた露極東地域の土地無償貸与制度を通じ、北方領土にある公有地計442ヘクタール(4・42平方キロ・メートル)が、観光用の宿泊施設用地や住宅用地などとしてロシア人約450人に貸与されていたことが、露当局への取材でわかった。プーチン政権が北方領土の「ロシア化」を着々と進めている実態が浮き彫りになった。

 この制度では、貸与地を有効活用すれば5年後には土地が譲渡される仕組みで、約1万7000人(2016年時点)のロシア人が暮らす北方領土の地権者は今後、増えることになる。

 露当局によると、昨年12月時点で、北方4島のうち、国後、色丹両島で、427人に計420ヘクタールが無償貸与された。択捉島の貸与対象は27人、計22ヘクタールだった。歯舞群島には、露国境警備隊とその家族以外の民間人は住んでおらず、対象地ではないという。

 主な土地の活用目的は、宿泊施設などの「観光・余暇」(27%)が最も多く、「自宅の建設」(25%)、「別荘」(21%)、「農業」(15%)の順だった。北方領土を定住目的に活用しようとするロシア人が一定数いることがうかがえる。

 ロシアは軍備面でも拡大を進めている。露国防省は昨年末、択捉島と国後島で、兵士やその家族用の宿舎計4棟(188戸)を新設したほか、露軍は射撃訓練なども頻繁に実施している。

 今回の土地無償貸与制度の対象は、ロシアによる北方領土の占拠で、島を追われた元島民の所有地の可能性があるとの指摘もある。北方領土の実態に詳しい名越健郎・拓殖大教授は「ロシア人の私有地が増えるほど、ロシアとの領土引き渡しを巡る交渉が複雑化する可能性がある」との見方を示す。

◆露極東地域の土地無償貸与制度 開発が遅れ人口流出も進む露極東地域への移住を促す目的で、ロシア人を対象に最大で1ヘクタールの遊休地が貸し出される制度。極東全体では約13万人が申請し、約5万人が認められている。

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