[インタビュー米朝]北 挑発再開あり得る…元国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル委員 古川勝久氏

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 ふるかわ・かつひさ 2011年10月から16年4月まで国連安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネル委員を務め、北朝鮮による制裁逃れの実態を捜査した。52歳。
 ふるかわ・かつひさ 2011年10月から16年4月まで国連安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネル委員を務め、北朝鮮による制裁逃れの実態を捜査した。52歳。

 2月末のハノイでの米朝首脳会談は最終的に合意に至らなかったが、互いに非核化と制裁緩和という要求をぶつけ合ったことで、今後の協議に向けた道筋がようやく示された。両国の首脳同士が関係を維持しているのは、今後の交渉を進める上で重要だ。

 会談後には制裁解除を巡り、米側が「北朝鮮が全面的な制裁解除を求めた」と主張したのに対し、北朝鮮が「求めたのは全面的な制裁解除ではなく一部の解除」と反論した。

 北朝鮮は、2006年から17年までの国連安全保障理事会決議のうち、国民生活に影響する部分の解除を求めたという論理だ。一方の米側は、要求を受け入れれば、現在の「経済封鎖」はほぼ全て解除されてしまうと説明している。

 制裁緩和の議論は米朝交渉の入り口に過ぎないが、北朝鮮は外貨獲得のため、密輸やサイバー攻撃などの犯罪行為を繰り返しており、これらをやめない限り、米朝関係の正常化はありえない。

 両者にとって今後、カギとなるのは、昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談で合意した「新しい米朝関係の構築」や「朝鮮半島の平和体制の構築」などの包括的な議論をどれだけ早く本格化できるかだ。

 非核化についても、北朝鮮の核の平和利用を認めていくかなど、「非核化」が示す範囲についての合意が必要となってくる。

 ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、北朝鮮が非核化に前向きでなければ、制裁を強化する方針を示しているが、仮に制裁が強化されたとしても、北朝鮮はそれだけでは核を放棄しないだろう。

 既に北朝鮮北西部・東倉里トンチャンリのミサイル実験場の再建が進んでいるとの報告もあり、北朝鮮が交渉を優位に進めるために今後、挑発行為を再開する可能性もある。

 一方、トランプ大統領は1期目の任期が21年1月までだ。北朝鮮が「トランプ氏が次期大統領選で再選されないのではないか」と予想すれば、トランプ氏の任期中の交渉妥結を見送ることも考えられる。米国は今後、実務者協議のスピードを上げていかなければ、時間切れとなりかねない。(聞き手・国際部 依田和彩)

479099 1 国際 2019/03/09 05:00:00 2019/03/09 05:00:00 2019/03/09 05:00:00 米朝首脳会談について話す元国連北朝鮮制裁委員会・専門家パネル委員の古川勝久氏。2019年2月1日撮影。同月8日朝刊[インタビュー米朝]「再会談の行方 不透明 古川勝久氏」掲載。ふるかわ・かつひさ…2011年10月から16年4月まで国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネル委員を務め、北朝鮮による制裁逃れの実態を捜査した。科学技術振興機構フェローなどを歴任。52歳。  https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190309-OYT1I50001-T.jpg?type=thumbnail

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