北核計画「そのまま存続」…国連 専門家パネル

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洋上で積み荷を移し替えているとみられる船籍不明の小型船舶と北朝鮮船籍のタンカー(防衛省提供)
洋上で積み荷を移し替えているとみられる船籍不明の小型船舶と北朝鮮船籍のタンカー(防衛省提供)

 【ニューヨーク=橋本潤也】国連の専門家パネルが11日に公表した年次報告書では、2018年に北朝鮮が米国との間で非核化に向けた交渉を行う一方、様々な手口で制裁を逃れようとしていた実態が明らかになった。報告書は各国に対し、制裁の履行への協力を改めて求めている。

ミサイル施設 分散確認

証拠入手

 報告書は、漁業権の売却に加えて、主要な外貨獲得手段として、18年に「瀬取り」の範囲や規模が拡大し、船籍や船体の偽装工作がさらに巧妙になったことから、「制裁の効果を損ねている」と指摘した。

 パネルは、1回の取引ではかつてない規模の石油精製品5万7000バレル(6億3000万円相当)に及ぶ「瀬取り」での密輸入があった証拠も入手したという。

 昨年6月の初の米朝首脳会談で、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に向け努力する」と約束したが、報告書は、北朝鮮の姿勢を疑問視している。2月末の2回目となる首脳会談で、北朝鮮が石油精製品を含めた制裁の緩和を求めたのも、「北朝鮮にとって制裁が効いている証拠だ」(国連関係筋)との指摘がある。

 このほか、北朝鮮が武器禁輸に違反し、小型武器などの軍事装備品を中東・アフリカの武装組織や政府に引き続き輸出していることや、17年1月から18年9月にかけて、仮想通貨市場などへの5回のサイバー攻撃で、推計5億ドル(556億円)超の被害が出たとの指摘も盛り込んだ。

燃料棒取り出し

 報告書では、北朝鮮の核・ミサイル計画が「そのまま存続している」とも指摘した。米朝交渉が継続する中、かたくなに核・ミサイル計画を手放さない北朝鮮の姿勢が浮き彫りになっている。

 北朝鮮北西部・寧辺ヨンビョンの核施設は活動を続けているとして、具体例として5メガ・ワットの黒鉛減速炉が18年9~10月に停止し、この間に燃料棒の取り出しがあった可能性があると指摘した。

 17年11月に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」については、トラック工場で組み立てが行われていたことを確認した。周辺には、運搬に使う鉄道や道路などが整備されており、ミサイルの製造や保管、実験に非軍事施設を使い、攻撃対象となりうる拠点を分散させるのが狙いとみられる。

韓国にクギ

 北朝鮮が制裁で禁じられた「ぜいたく品」を国内に持ち込んだことも分かった。映像や写真から、ロールス・ロイスのファントムやメルセデス・ベンツのリムジン、トヨタ自動車の高級ブランド「レクサス」の車両が北朝鮮に持ち込まれていた疑いが強まっている。トヨタ自動車側はパネルに対し、車は特定できず、持ち込みは「非正規ルートや個人間の取引」によると推定されると回答している。

 一方、北朝鮮への融和姿勢が目立つ韓国に対し、クギを刺すような言及があった。

 韓国政府が18年1~11月に約338トンの石油製品を北朝鮮側に、制裁決議が義務づける届け出を怠って、持ち込んだと指摘した。韓国政府は南北協力事業以外への流用は否定したものの、持ち込んだ事実は認めている。パネルは、いかなる条件下でも、安保理への届け出が必要なことは変わりないという趣旨の文章を盛り込み、韓国に注意を促している。

485952 1 国際 2019/03/13 05:00:00 2019/03/13 05:00:00 2019/03/13 05:00:00 政府は20日、北朝鮮船籍のタンカー「Yu Jong2号」と船体に「●(もんがまえに虫)寧徳油078」と書かれた船籍不明の小型船舶が16日昼、東シナ海の公海上で物資を移し替える違法な取引をしていた疑いがあると発表した。防衛省提供。撮影日不明。2018年2月21日朝刊掲載。★外部著作権★ https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190313-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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