米、ミサイル実験計画…INF条約失効後 中露抑止

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 【ワシントン=海谷道隆】米トランプ政権が8月にもロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止されている地上発射型ミサイルの発射実験を計画していることが明らかになった。AP通信などが13日伝えた。条約失効後の軍事的な選択肢を増やし、ロシアや中国を抑止する体制を整える狙いがあるとみられる。

 INF条約を巡っては、米政府が2月、ロシアの条約違反を理由に義務履行を停止し、離脱するとロシアに通告した。これに対し、プーチン露大統領も条約の義務履行を停止する大統領令に署名した。

 条約は通告から6か月後に失効する。国防総省当局者によると、最初の発射実験は8月の見通しだ。射程約1000キロ・メートルの巡航ミサイルで実施する予定で、18か月以内に配備できる状態になる可能性があるという。

 11月には、射程3000~4000キロ・メートルほどの弾道ミサイルの実験も行う方向だ。5年以内の配備は見込んでいないが、配備計画が進めば、米領グアムが候補になり得るという。いずれのミサイルも核弾頭の搭載は想定していない。

 米国の条約離脱を受け、ロシアは対抗措置をとる意向も示している。米側には「条約が失効すれば、ロシアは禁止対象だったミサイルの開発、配備を加速させる」(米軍関係者)との警戒感が強い。北大西洋条約機構(NATO)の欧州加盟国への脅威が増す事態が予想され、米側も地上発射型の中距離ミサイルを配備できる選択肢を持つことで、ロシアの一方的な動きを許容しない姿勢を明確にする構えだ。

 米国の動きは、INF条約に縛られず、ミサイルの開発・配備を進める中国をにらんだ動きでもある。中距離ミサイルのグアム配備が実現すれば、グアムを射程に収める「DF(東風)26」などで米国に圧力をかける中国をけん制する効果も期待できるためだ。

 

 ◆中距離核戦力(INF)全廃条約=冷戦中の1987年、当時のレーガン米大統領とソ連のゴルバチョフ共産党書記長が調印し、翌88年に発効した。射程500~5500キロ・メートルの核弾頭や通常弾頭を搭載した地上発射型ミサイルについて、発効から3年以内の廃棄を義務付け、将来の保有も禁じた。

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