タイ総選挙 三つどもえ…タクシン派・親軍派・第三極 単独過半数は難しく

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 【バンコク=幸内康】軍事政権下のタイで民政に復帰するための総選挙(下院、定数500)が24日に行われる。軍政を引き継ごうとする親軍政党と反軍政のタクシン元首相派、双方と距離を置く民主党の3勢力が激しく競っており、どの党も単独過半数を得るのは難しい状況だ。

◆視察の名目で

13日、タイ東北部ナコンラチャシマで演説するプラユット氏=幸内康撮影
13日、タイ東北部ナコンラチャシマで演説するプラユット氏=幸内康撮影

 プラユット暫定首相は13日、生まれ故郷のタイ東北部ナコンラチャシマの大学講堂で聴衆に訴えかけた。

 「(軍政の)過去5年、多くのことを成し遂げた。継続できるかどうかは、あなたたちにかかっている」

 プラユット氏は、親軍政党「国民国家の力党」の首相候補だ。しかし、軍政を率いる現職首相として政治的中立性への疑念を抱かれないように、力党の選挙集会や政党討論会に参加していない。この日の演説も交通政策に関係する視察の一環という名目だが、選挙戦終盤に動き出したのは、力党の支持拡大が順調ではないためだ。

 タイのテレビ局タイラットTVや有力紙ネーションによる小選挙区(350議席)の獲得議席数の予想で、力党は62にとどまる。タクシン派の中核「タイ貢献党」(130半ば~140半ば)の半数程度で、民主党(88~90)にも水をあけられている。比例区(150議席)やほかの親軍政党を含めても、過半数には届かない公算が大きい。

 一方のタクシン派政党は2001年以降、総選挙で常に勝ち、第1党を維持してきた。今回もタイ貢献党は各種調査でいずれもトップを走っているが、過半数は難しい状況だ。貢献党は10日、コメや砂糖といった農産物の価格引き上げを柱とする経済政策を発表し、首相候補のスダラット氏は「ポケットにお金を取り戻そう」と訴えた。支持基盤とする東北部や北部の一部で、力党の攻勢を受けており、農家を引きつけるためのアピールとみられる。

◆「布石」

 民主党のアピシット党首は10日、自らのフェイスブックに33秒の動画を投稿し、「プラユット氏の続投を支持しない。権力の座に居続ければ争いが起きる」と明言した。民主党はプラユット氏続投への態度を明確にしてこなかったため、選挙後にプラユット氏支持に回るのではないかとの臆測が流れていた。

 ただ、地元英字紙バンコク・ポストによると、民主党幹部は「力党と協力する可能性を排除したわけではない」と語った。両党は反タクシン派という点では一致する。クーデター前の最大野党だった民主党は、力党をおさえて第2党の地位を維持できそうな状況の中、「新政権作りで主導権を握るための布石を打ちつつある」(タイ政治の専門家)とみられる。三つどもえの選挙戦が残り10日を切り、選挙後の連立協議をにらんだ駆け引きがすでに始まっている。

489960 1 国際 2019/03/15 05:00:00 2019/03/15 05:00:00 2019/03/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190315-OYT1I50015-T.jpg?type=thumbnail

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