北へドイツ製高級車、日本経由で密輸か…米研究グループ報告書

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 【ニューヨーク=村山誠】国連安全保障理事会の決議で北朝鮮への輸出が禁じられている「ぜいたく品」の高級車が、日本経由で北朝鮮に密輸されていた可能性が出てきた。世界の違法ネットワークを調査している米研究グループ「C4ADS」が16日に公表した報告書で明らかになった。

 北朝鮮の高級車を巡っては、今年2月にハノイで行われた米朝首脳会談などで、金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長が、北朝鮮が本来であれば手に入れられないはずの高級車に乗っていたことなどから、北朝鮮の制裁逃れの横行を懸念する声が国際社会から上がっていた。

 今回、C4ADSが船舶航行記録や税関記録などをもとに密輸ルートを調査したのは、1台50万ドル(約5400万円)以上するドイツ製メルセデス・マイバッハS600ガード2台で、防弾装甲仕様のロングタイプという各国の政府高官らが使う超高級車だ。

 報告書によると、2台は昨年6月、コンテナ船に積まれてオランダ・ロッテルダムを出港し、中国・大連を経由して9月18日に日本の大阪に到着したとされる。その後、27日に韓国・釜山プサンに向けて出港し、10月5日にロシア極東のナホトカに到着したという。

 直後の10月7日には、ナホトカ近くのウラジオストクに北朝鮮政府高官の車両輸送に使われる大型貨物航空機3機が着陸しており、報告書は「メルセデスを平壌ピョンヤンに運んだ可能性がある」としている。

 報告書では、大連での荷受人と釜山での荷送り人は、兵庫県尼崎市に登記があるという貿易会社「瑞祥株式会社」、大阪から釜山への荷送り人は大阪市に本社のある「美濃物流株式会社」で、釜山での荷受人は韓国企業だったとしている。美濃物流の役員の住所と、瑞祥の登記上の住所は同じだったという。

 報告書は「米国の同盟国を通じて高度な調達能力を維持し続けている」との懸念を表明した上で、関係国の法執行機関が制裁順守のための取り組みを進めるよう促した。

     ◇

 美濃物流の徐正健社長は17日、読売新聞の取材に対し、「北朝鮮に運ばれるとは知らなかった。報告書は誤りだ」と反論した。

 徐社長によると、昨年8月、大連にある中国系の物流会社から、車2台を日本経由で上海に輸送するよう依頼された。大阪港に着いたのは9月18日ではなく、8月31日だとし、台風21号の影響を避けるため、物流会社が輸送先を釜山に変更してきたという。

 一連の輸送で関連会社「瑞祥」の名義を使ったものの、釜山からロシアへの荷送りには関わっていないとも主張した。徐社長は「北朝鮮とは一度も貿易をしたことがない」と話している。

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