周辺国、報復の連鎖に警戒感…米イラン対立

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 【カイロ=酒井圭吾】イランが「革命防衛隊」のスレイマニ司令官を殺害した米国への報復としてイラクの米軍駐留基地を攻撃し、周辺国は、報復の連鎖など米イランの対立がエスカレートしかねないと警戒感を強めている。全面衝突に発展すれば、中東全域の不安定化は避けられない。

 イスラム教シーア派のイランと対立するスンニ派の盟主、サウジアラビアは昨年9月、国内の石油関連施設がミサイル攻撃で破壊された。イランが背後にいるとみられており、アラブ諸国は「親イラン勢力」の攻撃能力の高さを見せつけられた。米イランの対立で戦火が広がれば、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡が封鎖に追い込まれ、産油国に大打撃になるとの危機感が強い。

 サウジやアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンなどのアラブ諸国は、米国の同盟国ながら、国内にシーア派住民を抱えている。国内情勢を不安定化させる米イランの全面対立を警戒しており、UAEのガルガシュ外務担当国務相は8日、ツイッターで「米イランは政治的解決の道を探るべきだ」と書き込んだ。

 イランのロハニ大統領は8日、閣議で「もし米国が新たな犯罪をしたいと思うならば、より強力な仕打ちを受けることになるだろう」と述べ、米国の反撃をけん制した。

 ただ、米国が反撃を控えたとしても、シーア派民兵組織の中に火種はくすぶる。イラクの「アサイブ・アフル・ハック」は8日、ツイッターで「イランの攻撃は終わった。次は我々の番だ。イラン以上の報復となることを約束する」と声明を出し、米軍への攻撃を続ける構えを示した。

 イランの革命防衛隊は8日の声明で、米軍駐留基地への攻撃後、イスラエルや米軍基地がある湾岸諸国を「次の攻撃」の対象にする考えを示唆した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は8日、スレイマニ司令官殺害について「トランプ米大統領は、中東のテロの背後にいるテロリストに対し、勇気を持って行動してくれた」と述べ、イランをけん制した。イスラエルの隣国レバノンには、親イランのシーア派組織ヒズボラが臨戦態勢を取っているとされる。首相の発言がヒズボラのイスラエルに対するさらなる攻撃を誘発する危険性もある。

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