世界覆う都市封鎖…違反に罰金・禁固刑、ヨルダンでは1700人逮捕

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 新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、欧米を中心に住民の外出や移動を制限するロックダウン(都市封鎖)の動きが広がっている。日本でも東京都の小池百合子知事がロックダウンの可能性に言及した。どのような措置がとられるのか、各国の事例をまとめた。

 

[米国]1.8メートルの距離保ち買い出し

 ■事業者に罰則

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、26日現在、米国では50州のうち22州で、住民に自宅待機を求める措置を実施、または実施予定で、不便を強いられる住民は全米の人口の6割を超える2億1200万人に上る。

 22日夜に外出制限に関する行政命令が発効したニューヨーク州では、企業などの事業者に対し、全従業員の出勤禁止を義務付けている。違反した事業者には罰金や事業所閉鎖などの罰則が科される。

 食料や医療、運輸、倉庫、金融、報道、公共交通など、生活に必要不可欠な事業者は対象外だ。飲食店は配達や持ち帰りに限って営業が許され、薬局やコンビニ、ガソリンスタンドも営業している。

 欧州では外出自体を禁止して違反者に罰則を科す国が多いのに対し、ニューヨーク州の行政命令は法人を取り締まり対象としているところに特徴がある。個人に対しては、不要不急の外出を控えるよう求める制限措置にとどめている。他者と一定の距離を保てば、屋外での散歩や運動なども認められる。

 

 ■単独行動が原則

 食料品の買い出しや、屋外での散歩や運動は、原則として単独行動で、他者との距離を6フィート(約1・8メートル)以上に保つことが条件だ。同居家族以外との面会や、緊急時以外の公共交通の利用についても控えるよう求めている。

 食品スーパーでは、客同士が近づき過ぎないよう、多くの店が入店者数を制限している。ある店では、あちこちに「州が定めた6フィートの距離を保ってください」といった貼り紙が貼られ、レジ待ち客が並ぶ通路には、6フィート間隔で床に目印が引かれていた。

 最初に外出制限が始まった西海岸のカリフォルニア州では、治安の悪化を心配する住民らが、銃専門店で行列をつくる現象も起きた。当局は「銃は必要不可欠な買い物ではない」として各店に営業停止を命じ、取り締まりにあたっている。 (ニューヨーク 村山誠、ロサンゼルス 久保庭総一郎)

 

[欧州]仏「罰金44万円」/伊「通行手形」

 パンデミック(感染症の世界的な大流行)の中心となった欧州では、各国政府が感染の広がりに歯止めをかけるため、全土で在宅勤務を呼びかけ学校も休校にして人々の外出を制限し、食料品店や薬局以外の閉店を命じるなどの非常措置に踏み切っている。

 仏政府はこうした措置を3月17日から月末まで続ける。パリでは地下鉄の運転本数が大幅に減った。警察官や銃を持った兵士が巡回し、通行人を呼び止めて外出理由を確認している。在宅で仕事ができない人は、通勤の必要があることを証明しなければならない。

 不要不急の外出と判断されれば135ユーロ(約1万6000円)の罰金を科される。それでも外出する人が絶えず、業を煮やした仏政府は24日から違反を4回繰り返せば3700ユーロ(約44万円)の罰金と禁錮刑6月を科すと警告した。

全土の外出制限が続くイタリア北部ベルガモで、間隔をあけてスーパーに並ぶ人々の列(25日、AP)
全土の外出制限が続くイタリア北部ベルガモで、間隔をあけてスーパーに並ぶ人々の列(25日、AP)

 イタリアでは2月に北部で始まった外出制限が3月10日に全土に広がった。

 通院や食料品の買い物を除き外出は認められない。外出の際は書類に理由を書いて署名する「通行手形」が必要だ。正当な理由がなければ、最大3000ユーロ(約36万円)の罰金を科される可能性がある。

 英政府も23日、3週間の予定で全土で外出制限を始めた。外出が認められるのは食料品や薬など必需品の買い物と通院、どうしても必要な場合の通勤、それに1日1回の運動などに限られる。

 住民は不自由な生活を強いられるが、今のところ反発は少ないようだ。英紙ザ・タイムズと調査会社ユーガブの調査では、93%が感染防止のための外出制限に賛成と答えた。

 英政府は、70歳以上の人に対しては、重症化の恐れが高いとして外出しないよう呼びかけている。近所の住民が高齢者から注文を聞いて必要な買い物をするなど、地域で支え合う動きも広がっている。

 ドイツでは全国規模ではなく、州単位で外出制限が行われている。ミュンヘンが州都の南部バイエルン州政府は約1300万人の住民に対し、21日から4月3日まで通勤や通院、食料品の買い物など「十分に説得力のある理由」がなければ外出しないよう求めている。 (パリ 山田真也、ベルリン 石崎伸生)

 

[アジア・太平洋]死者ゼロNZ「時間無駄にしない」

 ニュージーランド(NZ)政府は、25日深夜に新型コロナの警戒レベルを最高の4に引き上げ、スーパーマーケットや薬局などを除く店舗やオフィスの閉鎖と、不必要な外出の禁止を命じた。屋外で他人と近づくなど「不適切な行為」があれば、身柄拘束もあり得る。

 感染者数はここ数日で増加しているが、死者はゼロで重症者も少ない。早期のロックダウンに踏み切った理由を、アーダーン首相は「時間を無駄にする余裕はない。(封じ込めの)機会は限られており、あらゆる手段を尽くさねばならない」と説明した。

 マレーシアでは、外出を食料品の買い物などに限る行動制限令が18日に発令された。期限は当初31日までだったが、4月14日まで延長された。学校や宗教施設はほぼ閉鎖されている。企業活動も在宅勤務以外は禁止された。金融や交通など基幹サービスと食料品など生活必需品の製造業は例外だ。

 小さな子供がいる会社員らの家庭からは「自宅では仕事が思うように進められない」との声も出ている。州境を越える移動が原則禁じられており、地方に住む両親などに面倒を見に来てもらうのが難しいという。

 各地に軍が展開し、スーパーなどで混乱が起きないよう目を光らせている。100人以上が拘束された日もある。スーパーでは時間ごとに入店できる人数を制限している。 (ジャカルタ 一言剛之、ハノイ 田中洋一郎)

 

[中東]ヨルダン、外出は徒歩に限定

 今月21日に全土が封鎖されたヨルダンでは、厳格に外出禁止令が適用されており、内務省によると、25日までに1657人が逮捕された。外出が認められるのは食料品や医薬品の買い物だけだ。

 それも徒歩に限られる。違反者は14日間の隔離措置を経て、罰金刑や禁錮刑に処されるという。 (カイロ支局 上地洋実)

【随時更新】新型コロナ、今なにをすべきか~正しい情報で正しい行動を

無断転載禁止
1133353 0 国際 2020/03/28 05:00:00 2020/03/28 07:31:40 2020/03/28 07:31:40 People line up outside a supermarket in Bergamo, one of the northern Italian areas worse affected by coronavirus, Wednesday, March 25, 2020. The new coronavirus causes mild or moderate symptoms for most people, but for some, especially older adults and people with existing health problems, it can cause more severe illness or death. (Claudio Furlan/LaPresse via AP) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200328-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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