英労働党、新党首にスターマー氏…「党の信頼取り戻す」
完了しました

【ロンドン=広瀬誠】英国の最大野党・労働党の党首選結果が4日発表され、党幹部で欧州連合(EU)離脱担当のキア・スターマー下院議員(57)が当選した。スターマー氏は、昨年12月の下院総選挙で惨敗に終わった党の立て直しが急務となる。
党員らによる最終投票の得票率は、スターマー氏が56・2%となり、3人の候補者のうち最多となった。英国でも新型コロナウイルスの感染が広がる中、結果発表が予定されていた党大会は中止となり、スターマー氏はツイッターで公開した演説で「我々の使命は党の信頼を取り戻すことだ。自信と希望を持って新時代の党を率いる」と述べた。
総選挙での敗北を受けて、ジェレミー・コービン党首(70)は辞任を表明していた。党首選でスターマー氏は、富裕層への課税強化や鉄道の国有化など、左派色が強いコービン氏の政策を引き継ぐ一方、中道寄りへと党の路線を修正することも示唆した。
また、「(総選挙の)選挙公約が多すぎて人々は全て実現できると思わなかった」として、総花的な政策を見直す考えも示し、変化を求める党員から支持を集めた。
スターマー氏は検察当局トップを務めた後、ロンドンの選挙区で2015年総選挙で初当選し、昨年12月の総選挙で3選を果たした。もともとEU残留派で、EU離脱後も英EU間で人の移動の自由を維持することなど、親EU路線を主張している。
党首選では、コービン氏の後継者と目された党幹部、レベッカ・ロングベイリー下院議員(40)の得票率は27・6%にとどまり、次点だった。