コロナ対策の「真の英雄」、韓国に登場…WHO事務局長に推す声も
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【ソウル=建石剛】韓国で、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策の司令塔となる「疾病管理本部」の
鄭氏は10日の記者会見では、ソウルのナイトクラブの集団感染について語り、「速やかに検査を受けなければ本人の健康だけでなく、家族、同僚、社会の安全を守ることができないということを念頭に置き、心より(自主的な検査を)お願いしたい」と、訪れた客らに訴えた。
疾病管理本部は、常設の感染症専門対策組織だ。感染症が流行すれば、感染ルートを調べ、対策の陣頭指揮を執る。韓国で2015年に38人の死者が出たMERS(中東呼吸器症候群)が流行した際にも活動した。
韓国紙・中央日報などによると、鄭氏はソウル大出身で、保健学の修士号や予防医学の博士号を取得し、1998年に保健福祉省に入った。MERS流行時に疾病予防センター長を務めた経験などを買われ、2017年7月に女性初の疾病管理本部長となった。
鄭氏は今年1月に韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、ほぼ毎日午後2時に記者会見し、国内の感染状況などを解説している。南東部・
韓国メディアは、韓国のコロナ対策の「真の英雄」として鄭氏を持ち上げている。鄭氏を世界保健機関(WHO)の次期事務局長に起用することを求める請願まで大統領府のホームページに投稿されているが、鄭氏自身は記者会見などの場でこうした評価について問われ、「周囲にはいつも感謝している」と控えめに答えている。