WHOテドロス事務局長、脱退示唆したトランプ氏書簡を「精査している」
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【ジュネーブ=杉野謙太郎】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は20日、スイス・ジュネーブでの記者会見で、組織運営の改善を迫ってWHOの脱退も示唆したトランプ米大統領の書簡について問われ、「精査している」と述べるにとどめた。また、新型コロナウイルスの世界全体の感染者が、この日までの24時間で10万6000人増え、1日として過去最多だったと明らかにした。
記者会見に同席した緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、米国の拠出金の多くは緊急の人道支援に使われていると説明した。その上で、拠出の停止や減額について「世界でも、最も立場の弱い人たちに必要な医療支援を届けることに影響が出ることになる」と強調し、翻意を求めた。
WHOの20日付の集計によると、新たな感染者はブラジルで約1万3000人増えたほか、ロシアで約8800人、インドで約5600人増えた。米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、21日未明(日本時間21日午後)時点で世界の感染者は499万人を超え、500万人に迫っている。