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【モスクワ=田村雄】ロシアのプーチン大統領は26日、米国のミサイル防衛網を突破可能とされる極超音速兵器を露海軍に配備し、海軍の攻撃能力を強化する方針を表明した。露西部サンクトペテルブルクで開かれた「海軍の日」の式典で演説した。
プーチン氏は演説で、「(露海軍の)艦隊の戦闘能力は、世界に類を見ない極超音速兵器や、無人潜水艇の導入などで強化される」と強調した。
露国防省も26日、極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」について、フリゲート艦からの発射実験に成功したと発表した。ツィルコンは音速の9倍(マッハ9)で飛行し、1000キロ・メートル以上の射程を持つとされる。
プーチン政権は、米国のミサイル防衛に対抗する手段として、把握や迎撃が困難な極超音速兵器の開発を急いでいる。露国防省は昨年12月、米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)から分離し、極超音速で滑空飛行する兵器「アバンガルド」を露中部オレンブルクのミサイル部隊に配備した。空中発射型でマッハ10で飛行するとされる極超音速ミサイル「キンジャル」も戦闘機部隊への配備を進めている。
米露間で唯一残された核軍縮枠組みの新戦略兵器削減条約(新START)の延長に向けた進展が見えない中、プーチン政権は新型ミサイルの開発を誇示し、対米けん制を強めたい考えだ。