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モザンビーク 過激派台頭 「イスラム国」名乗りテロ…南ア、介入検討か

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モザンビーク南部沖のガス田開発事業(2004年、ロイター)。武装勢力が台頭する北部沖でもガス田開発が進む
モザンビーク南部沖のガス田開発事業(2004年、ロイター)。武装勢力が台頭する北部沖でもガス田開発が進む

 【ヨハネスブルク=深沢亮爾】アフリカ南部モザンビークでイスラム過激派組織「イスラム国」を名乗る武装勢力が台頭し、政情が比較的安定する周辺国が脅威認識を高めている。堅調な経済発展を遂げてきたモザンビークでは、日本企業も参画する世界有数の天然ガス田開発が行われており、影響が懸念されている。

■日本も権益

 武装勢力は「イスラム国中部アフリカ州」と名乗り、2017年以降、モザンビーク最北部カボ・デルガード州でテロを活発化させ、市民ら1000人以上を殺害した。テロの犯行声明動画などから、構成員の大半は地元出身と考えられるが、指導者や構成員数、中東の「イスラム国」との関係はわかっていない。

 地元メディアなどによると、今月12日には、沖合のガス田に近接する港町モシンボアダプライアを政府軍との戦闘の末に制圧した。主要な町で本格的な領域支配に及ぶのは初めてとなる。

 ガス田は、日本の三井物産や仏石油大手トタルなど外国企業の投資を呼び込み、20年代の本格稼働を目指して開発が進む。ガス田へのテロ警告は確認されていないが、事態が長期化すれば開発事業に影響する可能性もある。

■周辺国の懸念

 武装勢力が隣国に伸長する懸念もある。南アフリカでは民家から「イスラム国」の旗や爆弾の製造方法が記された書類が発見され、「既に国内に根を張っている」としてモザンビークとの関連を疑う見方が出ている。

 こうした事態を受け、周辺国など16か国で構成する南部アフリカ開発共同体(SADC)は17日、首脳テレビ会議を開き、モザンビーク政府への支援を確認した。北隣のタンザニアは国境地帯で掃討作戦に向けて部隊を展開した模様だ。地域大国・南アも軍事介入を検討していると報じられている。

 キリスト教徒が主体のモザンビークは、国民の2割がイスラム教徒だ。ポルトガルによる植民地時代と独立後の社会主義政権時代に冷遇され、イスラム教徒の多いカボ・デルガード州は開発の遅れが指摘されている。過激派が勢力を糾合できる背景には、中央政府への不満があるとされる。

 フィリペ・ニュシ大統領は掃討作戦を強化する構えだ。また、「軍事オプションだけでは問題は解決しない」として、制圧地域を再び掌握し、住民生活の向上を目指す方針を示している。

■「政府不信」利用

 西アフリカでは、ナイジェリア北東部でテロを繰り返してきた「ボコ・ハラム」がニジェールなど近隣国にも勢力を広げた。統一政府が全土を掌握できていない東アフリカのソマリアでは、「アル・シャバブ」が中南部で支配圏を維持する。いずれも、中央政府への不信がくすぶる周縁地域を取り込んできたとされる。南部アフリカでも、イスラム過激派の勢力伸長を許せば、テロの脅威がアフリカの広範囲に拡大することになる。

 ◆モザンビーク=人口約3000万人。1975年にポルトガルから独立した後、92年まで内戦が続き、国土が荒廃した。近年は治安の安定や外資導入を背景に経済成長が続き、日本政府も支援に力を入れている。

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1429163 1 国際 2020/08/24 05:00:00 2020/08/24 05:00:00 2020/08/24 05:00:00 A general view of Mozambique's Sasol's gas project is seen in Temane, at the Inhambane province, Mozambique June 1, 2004. REUTERS/ Juda Ngwenya/File Photo★2020年8月23日に国際部が購入★ https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200824-OYT1I50018-T.jpg?type=thumbnail

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