香港の民主活動家・周庭氏ら3人収監…無許可集会を扇動したなどとして
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【広州=吉岡みゆき】香港で23日、無許可集会を扇動したなどとして公安条例違反罪に問われた著名民主活動家、黄之鋒(24)、周庭(23)、林朗彦(26)の3氏の公判が開かれ、3氏は起訴事実を認めた。裁判官は有罪と認定し、3氏はただちに収監された。量刑を含めた判決は12月2日に言い渡される。中国・香港両政府は、活動家として知名度が高い3氏に厳しい姿勢で臨むことで、民主派を
3氏は、昨年6月に香港警察本部付近で行われた無許可の集会に参加し、他の若者らの参加を扇動した罪などに問われた。周氏は7月の公判ですでに起訴内容を認めていた。23日の公判ではこれまで否認していた黄、林の両氏も大筋で認めた。
黄氏は23日、「我々は今、自由の価値を世界に説明しようとしている。そのためなら自身の自由は喜んで犠牲にする」との声明を出した。周氏は23日の公判前、記者団に「収監されるとしたら初めてで不安だ」と語った。香港メディアによると、黄氏らの刑期は最高5年となる可能性がある。
中国・香港両政府は、今年6月末の国家安全維持法(国安法)施行以降、民主派の締め付けを強めている。
行政長官選挙の民主化を求めた2014年の道路占拠運動の際の中心メンバーだった3氏は、昨年の大規模抗議運動でも、民主派の主張を国際社会に発信する役割などを担ってきた。特に黄氏は、別の二つの無許可集会に参加した罪でも起訴されており、本人が「当局は次々と実刑判決を出し、収監し続ける恐れがある」との見通しを示している。
香港では今月、立法会(議会)で民主派議員が一斉に辞表を提出したほか、国安法や新型コロナウイルスの影響で街頭での抗議活動が大きく制限される状態が続く。民主派には手詰まり感が漂っている。