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中国の「限韓令」解除に道筋立たず、思惑外れた韓国…習近平氏の訪韓見送りへ

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 【ソウル=豊浦潤一、北京=中川孝之】中国と韓国が合意していた習近平シージンピン国家主席の年内の韓国訪問が、新型コロナウイルス対応などを理由に見送りとなる方向であることがわかった。外交成果を上げて低迷する支持率の反転につなげたい文在寅ムンジェイン政権に対し、習政権は訪韓を外交カードととらえてタイミングを見極める構えで、両国の温度差も浮き彫りとなっている。

■「年明けも困難」

 韓国政府関係者は本紙に、習氏の訪韓について「(現時点では)両政府が具体的に論議しているものは何もない」と明かした。韓国では12月に入り、新型コロナ感染の「第3波」を迎えていることから、「習氏と随行する大規模な代表団を迎え入れられる状況にない」として「年明けも困難だろう」との見通しも示した。

 中国は8月に外交トップの楊潔ち(よう・けつち)共産党政治局員を韓国に派遣し、韓国側と習氏の早期訪韓で一致していた。しかし、韓国側では、中国が習氏の年内訪韓に「積極的ではなかった」(韓国政府関係者)との受け止めがあった。韓国を議長国として年内に予定されていた日中韓首脳会談も改善に向かわない日韓関係などを理由に、開催が見送られる方向だ。

■報復解除期待

 文政権は習氏訪韓を、在韓米軍による2017年の最終段階高高度地域防衛(THAAD)配備を受けて中国が取ってきた報復措置解除に向けたきっかけとして期待をつないでいた。

 中国政府は約4年間にわたり、韓国への団体観光客の渡航禁止、韓国のゲーム、ドラマの流入禁止などいわゆる「限韓令」を維持しており、韓国経済への深刻な打撃が指摘されていた。その解除に道筋を付ければ、政権にとって追い風となるとの思惑があったようだ。

 また、来年1月の米国のバイデン次期政権発足に向け、対立する米中双方と良好な関係を築くことで「国益を最大化する」(外交専門家)狙いも指摘される。文氏は対北朝鮮政策でのレガシー(政治的遺産)作りを悲願とする。バイデン次期政権が対北朝鮮の方針を打ち出す前に習氏の協力を取り付け、朝鮮半島の非核化を巡る米朝協議の再開への流れを固めておきたい意向もあったとみられる。

■外交カード温存

 中国としては、年内の訪韓は時期尚早と判断したようだ。中国はまず、北朝鮮がミサイル発射などの挑発を再開し、朝鮮半島情勢が緊張状態に戻る事態を懸念する。バイデン次期政権の発足を経て、北朝鮮を巡る各国の駆け引きが活発になる時期に訪韓のタイミングを見定めるものとみられる。

 米国が中国企業への半導体輸出の規制を強める中、中国にも、韓国との関係を深め、半導体の安定供給確保につなげたい事情がある。韓国を経済協力で引き寄せ、米韓同盟にくさびを打ち込む狙いもあるとみられる。

 14年7月以来となる習氏訪韓という外交カードは温存する方向となった。それでも、11月下旬にソウルを訪問した王毅ワンイー国務委員兼外相は、康京和カンギョンファ外相との会談で、ビジネス交流の拡大や、中韓の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)をスタートさせることで合意している。

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1701109 0 国際 2020/12/15 05:00:00 2020/12/15 19:12:13 2020/12/15 19:12:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201214-OYT1I50066-T.jpg?type=thumbnail

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