完了しました
【ワシントン=船越翔、リオデジャネイロ=淵上隆悠】新型コロナウイルスによる世界の死者数が15日(日本時間16日)、米ジョンズ・ホプキンス大の集計で200万人を超えた。累計感染者数も1億人に迫る約9400万人に上り、各国は感染力が強いとされる変異種への警戒を強めている。昨年1月に中国が初の死者を公表してから1年が過ぎたが、死者も含めた感染規模は拡大する一方だ。

集計では、死者数が100万人に到達したのは、昨年1月から約8か月半後の9月28日だった。続く約3か月半でさらに100万人増えたことになり、増加ペースは著しく加速している。
国別の死者数は日本時間16日午前11時現在で、米国が世界最多の約39万人に上る。クリスマス休暇による人の移動などで感染が再拡大した可能性が指摘され、米疾病対策センター(CDC)は、2月までに死者数は45万人に達する恐れがあるとの見解を示している。
米国に次ぐのは約21万人のブラジルで、北部アマゾナス州では人工呼吸器用の酸素ボンベが不足し、空軍機による患者の移送が行われるなど医療体制が危機的状況となっている。欧州でも英国やイタリアが死者8万人に上り、拡大が続く。日本の死者は16日午前0時現在で4420人となった。
変異種の流行が続く英国では、1月上旬は新規感染者数が連日5万人を超え、4日からイングランド地方全域で3度目のロックダウン(都市封鎖)が始まった。
ブラジルから日本に入国した人からは、英国のタイプとは異なる新たな変異種が検出された。ブラジルで続く深刻な感染拡大と、変異種との関連が疑われている。米オハイオ州の感染者からも新たな変異を持つウイルスが見つかっている。
欧米などではワクチン接種が始まっているが、医療機関の人手不足などから思惑通りに接種が進まない国も相次ぐ。途上国への供給も大きな課題となっている。