アフガンとイラクの駐留米軍、2500人規模に削減…「駆け込み撤収」強行か
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【ワシントン=蒔田一彦】米国のミラー国防長官代行は15日、アフガニスタンとイラクの駐留米軍をそれぞれ2500人の規模に削減したと発表した。トランプ大統領が昨年11月に削減を指示していた。トランプ氏の退任を前にした駆け込み撤収として、与党・共和党からも批判が上がっていたが、強行した形だ。
ミラー氏によると、アフガン駐留米軍は2001年の米同時テロ以降、最小規模となった。ミラー氏は「米国は約20年に及ぶ戦争の終結に最も近づいた」とし、「北大西洋条約機構(NATO)の同盟国やパートナー国とともに対テロ作戦や治安部隊の訓練などを続けていく」とも強調した。
米政策研究機関「ブルッキングス研究所」の報告書によると、01年以降、イラクでピーク時で15万人以上が、アフガンには約9万人の米軍が駐留していた。
米政府とアフガンの旧支配勢力タリバンが昨年2月に締結した和平合意では、駐留米軍は今年4月末までに完全撤収することになっている。ただ、その前提となるアフガン政府とタリバンの和解協議は難航しており、拙速な撤収による情勢悪化も懸念される。バイデン次期政権は、撤収を進めるかどうか、難しい判断を迫られることになる。