バイデン氏、ワクチン接種強化へ…拠点新設・原材料増産
完了しました
【ワシントン=船越翔】米国のバイデン次期大統領は15日、数千か所の接種拠点の新設や引退した医療関係者の確保などを柱とした新型コロナウイルスワクチンの接種強化策を発表した。米国内で新型コロナによる死者が1日約4000人に上る中、接種拡大を図ることで抑制を急ぐ考えだ。
12月末までに医療関係者や介護施設の入所者ら2000万人を目標としていたワクチン接種は、15日時点での初回接種完了が約1060万人にとどまっている。
バイデン氏は演説で「米国のワクチンの展開は悲惨な結果に終わっている」とし、接種拠点新設などに加え、薬局での接種促進や大統領令で連邦政府職員にマスク着用を義務づけるなど具体策を示した。大統領権限で民間企業に協力を求める「国防生産法」に基づき、ワクチン原材料を増産する考えも改めて強調した。
バイデン氏は20日の就任から100日間で1億回のワクチン接種を計画している。14日には1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策案を公表し、うち4000億ドル超をワクチン接種などのコロナ対策にあてる考えを示していた。