中国がインド北東部の州内に集落建設、付近には軍駐屯地も…支配の既成事実化図る

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 【ニューデリー=小峰翔、北京=中川孝之】インドの民放NDTVは18日、中国が領有権を主張する印北東部アルナチャルプラデシュ州で約100戸の集落を建設したと報じた。係争地に施設を建設し、支配の既成事実化を図る中国の動きが改めて明らかになった。

インド・アルナチャルプラデシュ州の中国国境付近で巡回するインド軍兵士(2012年、AP)
インド・アルナチャルプラデシュ州の中国国境付近で巡回するインド軍兵士(2012年、AP)

 アルナチャルプラデシュ州はインドが実効支配し、中国のチベット自治区に面している。NDTVが根拠とした米衛星会社の複数の画像では、2019年8月には見当たらなかった建物が、20年11月には整然と立ち並ぶ様子が確認できる。報道は、インドの地図を基に、集落が4・5キロ同州に入った場所にあるとしており、集落から約1キロ南の地点には中国軍駐屯地もあるという。集落は居住区として建設された可能性がある。

 中国は同じような集落をインドとブータンの国境が入り組んだ地域にも建てた。米メディアが昨年11月、衛星写真とともに伝えた。集落は、中国軍の拠点が近くにあることで共通する。民間人用の集落を保護するとの名目で、中国軍が進出を拡大する口実にもなる。

 中国の習近平シージンピン国家主席は19年10月に訪印し、ナレンドラ・モディ首相と地域の安定が重要との認識で一致したが、アルナチャルプラデシュ州の集落はその後建設された可能性がある。

 印外務省関係者によると、スブラマニヤム・ジャイシャンカル外相が報道後、首相府へ説明に行き、19日も省内で幹部会議を開催し、対応を協議した。印外務省は18日、報道は否定せず、「インドの安全保障に関する全ての開発を常に監視し、主権と領土を守るため必要な全ての措置を取っている」とのコメントを出した。

 中国は、南シナ海や中印国境付近で拡張主義的な動きを強めている。国境が未画定のカシミール地方では中印両軍が20年6月に衝突し、1975年以来の死者が出た。夏には印側支配地域内で中国軍の拠点を建設したことが確認されるなど、中印関係は「45年間で最悪」(ジャイシャンカル氏)の状態に陥っている。

 中国はネパールでも軍施設を建設したことが昨年、相次いで報じられた。

 インドの安全保障の専門家ブランマ・チャラニ氏は18日、SNSで、中国が南シナ海で拠点を設けて一方的に現状変更した手法と同じだと投稿し、「国際法に裏付けられた中国の土地ではないが、中国は戦略的に重要な地域に村を建設し、国際法の対象にしようとしている」と指摘した。

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