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【独自】コロナ禍は「最高の環境」…北、17歳選抜してサイバー戦争強化

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 【ソウル=建石剛】新型コロナウイルスの感染拡大を機に、外貨獲得目的でハッキングなどのサイバー攻撃を活発化させているとみられる北朝鮮では、サイバー部隊の養成システムが確立している。平壌ピョンヤン首都圏の理系大学に通っていた脱北者が読売新聞の取材に応じ、その実態を明かした。

ハッキング急増

 「1000人中10~15人の秀才のうち、数人がサイバー部隊に引き抜かれる」。2017年7月に脱北した30歳代の男性は、大学の学友のごく一部が、サイバー部隊要員として絞り込まれていく様子を振り返った。

 この男性や北朝鮮のサイバー部隊の養成に詳しい関係者によると、北朝鮮では、各地域で最も優秀な高校に通う知能指数(IQ)の高い子どもを17歳で選抜し、IT教育を詰め込む。その中でも優秀な学生を平壌近郊のIT重点大学に入学させる。大学で2~3年学ばせた後にサイバー部隊に引き抜くという。中国などに留学させてサイバー攻撃を学ばせるケースもある。

 男性が同じクラスで学んでいた友人の一人がその秀才だった。北朝鮮では海外のインターネットサイトへの接続が禁じられているが、友人は自分で研究して3日間で不正接続に成功した。海外映画やドラマは思想教育に影響するため、閲覧すると処罰対象だが、ゲームは黙認されていたという。友人は1週間でゲームのプログラムも解読した。このような人材が部隊に引き抜かれるという。

 大学では数学やプログラミングなど基礎をたたき込まれ、ハッキングなどの攻撃手法は部隊に引き抜かれてから学ぶ。男性はサイバー部隊に入った知人から「目的は知らされず、ひたすらプログラミングを習い、行き着いたのがビットコインのハッキングだった」と聞いた。ハッキングに成功すると、家族に報奨や米などの食糧の配給も行われた。部隊では自由な生活はなく、ひたすら指示されたことを行ったという。

 北朝鮮当局は家庭環境などで思想的に問題がないかも調べてサイバー部隊を選抜する。男性は「忠誠心が強い秀才たちで組織されている」と話す。

コロナ禍「攻撃に最適」…脱北の元大学教授指摘

 北朝鮮は軍偵察総局傘下に複数のサイバー部隊を組織しているとみられている。

 脱北者団体「NK知識人連帯」代表で、北朝鮮で大学教授を務めた経歴を持つ金興光キムフングァン氏によると、北朝鮮では1990年代に金正日キムジョンイル総書記(当時)の指示で部隊が組織された。資源や資金がない北朝鮮にとって、サイバー戦争は戦力差を挽回できるためだ。金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記は更に強化しているという。

 2009年頃までは偵察総局傘下に一つの部隊が置かれていただけだったが、現在は金銭窃取やインフラ(社会基盤)破壊など目的ごとに部隊が細分化された模様だ。金興光氏は要員は計5000人程度とみる。17年に世界中の銀行や企業に身代金を要求したサイバー攻撃への関与が指摘される「ラザルス」や、最近活発化している「ビーグルボーイズ」などのハッカー集団は各部隊の指揮下で活動している。

 金興光氏は世界的なコロナ禍が「北朝鮮ハッカーにとって最高の環境となった」と話す。コロナ関連の「緊急情報」などを装うことでハッキングすることが容易なためだ。米国の経済制裁などの打撃も重なり、北朝鮮はサイバー攻撃を活発化させ続けるとみられる。

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1810802 0 国際 2021/02/01 05:00:00 2021/02/01 07:43:38 2021/02/01 07:43:38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210201-OYT1I50006-T.jpg?type=thumbnail

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