「1回接種で免疫不十分、新たな変異を出現させる恐れ」…米の首席医療顧問が警告
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【ワシントン=船越翔】バイデン米政権のアンソニー・ファウチ首席医療顧問は8日の記者会見で、2回の接種が前提の新型コロナウイルスワクチンについて「1回の接種で免疫が不十分な場合、新たな変異ウイルスを出現させる恐れがある」と語り、米国民に規定通りの間隔で2回目を受けるよう求めた。
昨年12月から米国で接種が始まった製薬大手ファイザーとバイオ企業モデルナのワクチンは、それぞれ3~4週間間隔で2回接種が必要となっている。一部の州ではワクチンの供給が遅れており、初回接種者を増やすために接種間隔の延長を求める声が出ている。
これに対し、ファウチ氏は、2回目の接種を遅らせることでワクチンの効果が低減する可能性に言及。患者の体内に残ったウイルスから、抗体が効きにくい変異ウイルスが生まれやすくなると警告した。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では8日時点で計約3230万人が接種を受け、このうち2回目を終えたのは約950万人となっている。