中国、53か国・地域にワクチンを無償援助…関係強化につなげる狙い
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【北京=中川孝之】中国が今月、発展途上国向けに、新型コロナウイルスワクチンの無償援助を始めた。対象は53か国・地域としている。国際的にワクチンが不足するなか、途上国の需要に応え、関係強化につなげる狙いだ。
国営新華社通信によると、カンボジアの首都プノンペンの空港に7日、中国製ワクチンが航空貨物で到着した。出迎えたフン・セン首相は「中国の援助は緊密な協力関係の証明だ」と歓迎した。ワクチン援助は1日のパキスタンが最初で、8日にはラオスにも届けられた。
中国外務省は、援助の目的について、国産ワクチンを「世界の公共品にするという
中国は3日、途上国に供給するためだとして、ワクチンを各国で共同購入する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」に1000万回分を提供すると発表した。各国への個別援助と合わせ、ワクチンを通じた国際貢献をアピールする構えだ。
中国軍による他国軍へのワクチン援助も進んでいる。7日にはカンボジアとパキスタン両軍にワクチンをそれぞれ届けた。