WHO調査団「ウイルス発生は武漢とは限らない」…「研究所流出説」は否定
完了しました

【武漢(中国湖北省)=吉岡みゆき、ジュネーブ=杉野謙太郎】新型コロナウイルスの感染拡大の経緯や発生源を探る世界保健機関(WHO)の国際調査団は9日、武漢市での現地調査を終え、中国側と共同で記者会見した。国際調査団は国際社会が注目していた「武漢ウイルス研究所」からの流出説をほぼ否定しつつ、ウイルスが武漢以外の場所で発生した可能性にも言及した。今後、周辺国も含めて調査を続けたい考えという。

国際調査団を率いる感染症専門家ピーター・ベンエンバレク氏は、人への感染経路について「中間の動物を介した感染が最も可能性がある」とした上で、「ウイルスが発生したのは武漢とは限らない」と述べた。調査団メンバーのマリオン・クープマンス氏によると、「治療に当たった233か所の病院の病例や死亡率から判断した」という。
ベンエンバレク氏は、武漢で採取された新型コロナの遺伝子配列は「コウモリのものと高い相関がある」とし、ウイルスの起源究明には、中国だけでなく近隣諸国でもコウモリのサンプルを調べる必要があると強調した。