ミャンマー抗議デモ、1日で最多の38人死亡…治安部隊が発砲
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【ニューヨーク=寺口亮一】ミャンマーを担当する国連のクリスティン・ブルゲナー事務総長特使は3日、ミャンマー国軍のクーデターに抗議するデモ参加者への治安部隊による発砲で、3日の死者が38人に上ったと明らかにした。1日の犠牲者としては最多となる。状況悪化を踏まえ、国連安全保障理事会は5日に非公開の緊急会合を開催する。

ブルゲナー氏はオンラインで行った記者会見で、2月1日のクーデター後に50人以上が犠牲になったと説明し、国際社会が連携して国軍への圧力を高めるよう呼びかけた。
無抵抗の市民が至近距離から発砲されて殺害されたケースも動画で確認したという。専門家は、治安部隊がサブマシンガンを装備し、実弾を使用したとみている。
ブルゲナー氏は国軍のソー・ウィン副司令官と2月に対話した際、安保理による制裁を警告し、国際社会で孤立する可能性を伝えたことも明らかにした。これに対し、ソー・ウィン氏は「我々は制裁には慣れている」とし、「数少ない友人と歩むすべを学ばなければならない」と語り、動じる様子はなかったという。
ミャンマー情勢について、米欧を中心に反発が強まっている。5日に予定される安保理の緊急会合は、英国が要請した。ブルゲナー氏は記者会見で、対話による解決を目指すとしながらも、「強力な措置を取る必要がある」と強調した。
ただ、安保理では拒否権を持つ常任理事国の中国とロシアが「ミャンマーの内政問題」との立場を示しており、国軍への制裁などには同意しないとみられる。