冷戦終結の立役者、ゴルバチョフ氏が90歳…政府系世論調査では「有害だった」51%
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【モスクワ=工藤武人】ソ連の内外政策を転換し、東西冷戦の終結をもたらしたゴルバチョフ元ソ連大統領が今月2日、90歳を迎えた。1990年にノーベル平和賞を受賞するなど国際的評価は高い一方、ロシア国内では、91年のソ連崩壊をもたらしたとみなされ、批判的な世論が根強い。

ゴルバチョフ氏は、今月配信されたタス通信とのインタビューで、85年にソ連共産党書記長に就任した後に掲げた「ペレストロイカ」(改革)について、「人々は自由を手に入れ、全体主義体制に終止符が打たれた」と意義を強調した。
ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇だ」と発言したことがあるロシアのプーチン大統領は2日の祝電で、「我が国と世界の歴史に大きな影響を及ぼした傑出した政治家だ」とゴルバチョフ氏をたたえた。
ただ、政府系機関が誕生日に合わせて発表した世論調査では、ゴルバチョフ氏の活動について「どちらかと言うと有害だった」との回答が51%で、「有益だった」(7%)を圧倒した。ゴルバチョフ氏の実績を複数回答で尋ねた問いでも、「ソ連を崩壊させた」や「米欧の歓心を買うため国を売った」との回答が上位だった。