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賠償は国際条約を超える可能性、操船ミスや電気系統の不具合が原因か…スエズ運河座礁

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 【カイロ=酒井圭吾】エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁した事故について、エジプト当局は、操船ミスや電気系統の不具合が主因とみて調査を進めている模様だ。賠償については、エジプト政府が求める金額が、国際条約で定める上限を大きく超える可能性があり、決着までは難航が予想される。

■責任除外

 3月23日に座礁して運河を塞いだ「エバー・ギブン」(愛媛県の正栄汽船所有)は6日後の29日、離礁に成功した。4月3日には、待機を余儀なくされていた422隻全てが通過した。

 エジプト当局は3月31日から、インド人船長と乗組員らへの聴取など調査を始めた。内容は公表されていないが、イタリアのノバ通信は4月2日、調査に関わる運河庁職員2人の話として、「操船が正常に行われなかったことが原因だ」と報じた。

 サウジアラビアのシャルク放送は1日、「船の電気系統の不具合で油圧ポンプが作動せず、かじが正常に動かなかった」と伝えた。さらに、調査初期段階で、運河の構造や運営といった「エジプト側の責任は除外された」と報じている。

■損害額引き上げ

 離礁作業を含むエジプト側の損害額について、運河庁のオサマ・ラビア長官は3月31日、「10億ドル(約1100億円)を超えるだろう」とぶち上げた。離礁直後には、「1日あたり最大1500万ドル(約16億5000万円)」との見通しを示していたが、大幅に引き上げた。船主の正栄汽船や、台湾の運営会社「エバー・グリーン」が請求対象になるとみられる。

 日本船主協会(東京)によると、船主の賠償責任額は、「船主責任制限条約」(LLMC)で上限が設定されている。LLMCに従うと、条約加盟国のエジプトが国内で訴訟した場合、上限は約35億円となる可能性がある。賠償金額を引き上げたLLMCの「96年議定書」を批准した日本で訴訟をしたとしても、上限は130億円となるとの見方が強く、金額を巡る協議が難航するのは必至だ。

 エバー号は現在、運河途中の湖に足止めされている。ラビア氏は4日、中東のテレビ局アル・アラビーヤに、「賠償金の支払いが終われば、通航を許可する」と述べた。賠償金の確定には「2~3年かかる」(日本の海運会社)のが通例とされており、エバー号の扱いも今後、焦点になりそうだ。

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1963588 0 国際 2021/04/05 23:05:00 2021/05/05 00:00:03 2021/05/05 00:00:03

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