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香港住民に密告奨励、中国の言いなりになる「秀才」長官

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[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「香港行政長官」。

 香港政府トップの林鄭月娥りんていげつが行政長官(64)の対中追従ついじゅうぶりが際立っている。中国が民主派の締め付けを目的に導入した法律を忠実に執行し、香港の「一国二制度」を事実上葬り去ろうとする。どんな人物なのか。かたくななまでに中国の「言いなり」になるのは、なぜか。

林鄭月娥氏、国安法適用にまい進

 香港民主派の間では近年、「酷吏治港」という新しい言葉が生まれた。無慈悲な官吏が香港を統治することを意味する。林鄭氏の執政を指す言葉だ。

 民主派がこの言葉を使いたがるのには訳がある。中国の元最高実力者、トウ小平が唱えた「港人治港」(香港人の香港統治)と対比した表現だからだ。

 林鄭氏は、中国という自らの主人を優先するあまり「港人治港」の意義を失わせた――。そんな嘆きと皮肉が込められているのだろう。

 林鄭氏率いる香港政府は、中国が昨年6月に制定した「国家安全維持法」(国安法)の適用にまい進する。国安法違反の逮捕者は民主活動家や報道機関関係者ら約100人に上る。

 逮捕者の数以上に抑圧の徹底ぶりを物語るのは、言論の自由が保障されてきた香港社会で、政府が密告を奨励していることだ。国安法違反の情報提供を求める警察の窓口には、半年で10万件以上の通報が寄せられた。

 「香港は、黒い暴力というどんよりした天気から抜け出した」。林鄭氏は4月15日、ためらいもなく国安法の効果を称賛した。教育やメディア、インターネットの管理を国安法で強化する意向も示した。

「自宅には現金が山積みだ」

 林鄭氏は、与えられた秩序の中で最高の成果を出そうとする根っからの優等生だ。一般家庭に生まれ、幼い頃から秀才だった。学校では大概、成績が1番で、試験で4番になった時には悔しさのあまり大泣きした逸話もある。

 名門・香港大に進み、エリートぞろいだった英国植民地時代の統治機関「香港政庁」に入る。英ケンブリッジ大でも学び、昇進を重ねた。

 仕事中毒で知られる。1日の執務は16~17時間に及ぶこともある。元部下は「他の幹部は春節(旧正月)の前日、普段の2時間前に部下を帰宅させていたが、林鄭氏はそうしなかった」と振り返る。他人にも厳しい。

 脇目も振らずに前進するあまり、想像力不足が露呈することもある。「自宅には現金が山積みだ」。昨秋、林鄭氏が地元報道機関のインタビューで語った言葉が、住民のひんしゅくを買った。

 本人としては、対米批判のつもりだったのだろう。林鄭氏は、香港自治の侵害に関与したとして米国の金融制裁の対象となったために銀行の口座を使えなくなり、給料を現金で受け取っていたからだ。だが、行政長官は年収約7000万円と相当な高給取りだ。発言は、人口の1割以上を占める貧困層への配慮に欠けていた。

 

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