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「大陸のワクチン使わないのか」…習近平政権、感染急増の台湾に揺さぶり

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 【北京=比嘉清太、台北=杉山祐之】中国の習近平シージンピン政権が、自国製の新型コロナウイルスワクチンの提供表明などを通じ、台湾への攻勢を仕掛けている。感染急拡大で動揺する台湾社会を分断し、支持率が急落した蔡英文ツァイインウェン総統を揺さぶる構えだ。

軍事・外交圧力も継続

「冷血」

 中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は28日に談話を発表し、「はっきり答えてほしい。台湾同胞の命が大事ではないのか。世界保健機関(WHO)が承認した大陸のワクチンを使わないのか」と台湾側に迫った。

 報道官は先に、台湾への中国製ワクチンの早期提供や防疫専門家の派遣を申し出ていた。「安全性が保証されない」として拒む蔡政権を「冷血」とも呼んだ。

 習政権にとって、米台関係を強化して中国に対抗する蔡氏は、中台統一戦略の大きな障害だ。その蔡政権の安定の基盤になってきたのは、「世界の模範」と呼ばれた防疫対策に対する圧倒的な支持である。台湾での感染急増は、中国に絶好機をもたらした。

一定の効果

 台湾住民の多くが強い不安を抱く中、揺さぶりは一定の効果を上げている。

 中国の製薬会社は、ドイツの製薬企業ビオンテック社との共同開発と、中国大陸、香港、マカオ、台湾での商業権独占の契約を結んでいる。中国側は中国製だけでなく、このワクチンも提供する意向を示しており、台湾の一部自治体は、この中国の製薬会社と接触する動きを取り始めた。

 中国メディアは、福建省アモイで26日、台湾人ビジネスマンら75人が中国当局手配のワクチンを接種し、感謝する様子を伝えた。

 台湾紙・自由時報は最近、台湾情報機関が得た情報として、習政権が「台湾人の自信をくじけ」などとの指示を出したと伝えた。SNSやメディアを動員し、「中国は防疫に成功し、台湾は失敗した」との宣伝戦を仕掛ける構えだという。

「断交ドミノ攻勢」

 台湾への軍事的圧力や、台湾の国際空間を狭める動きも緩んでいない。

 台湾での感染拡大が始まった後の20日、中国軍の戦闘爆撃機2機が台湾海峡中間線を越え、台湾側の空域に入った。18日には香港政府が在台湾窓口機関の運営を当面停止した。中国が、ワクチン提供を武器にして台湾と外交関係を持つ国々を切り崩す「断交ドミノ攻勢」を中南米などで再開するとの見方も出ている。

 これに対し、蔡氏は、ワクチン調達で「中国の干渉があった」と中国を名指し批判したほか、中国の情報戦、心理戦に惑わされないよう住民に呼びかけている。

 それでも、蔡政権が再び安定を取り戻す決め手は、中国との対決姿勢ではない。現時点で2%に満たないワクチン接種率を着実に上げながら、コロナの感染拡大を抑え込むことだ。

蔡氏、日本に謝意…ワクチン供与検討

 【台北=杉山祐之】台湾の蔡英文ツァイインウェン総統は28日夜、日本政府が新型コロナウイルスワクチンの台湾への供与を検討していることについて、ツイッターに「深い友情に心から感謝する」と日本語で投稿した。「(台日が)困難な時代を、支え合って共に切り抜けようという姿勢が鮮明になり、うれしく思う」とも記した。台湾の外交部(外務省)も謝意を表明した。

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