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NATO、中国への対応強化を初めて明記…「野心的で強硬な振る舞いは国際秩序への挑戦」

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 【ブリュッセル=畠山朋子、ワシントン=蒔田一彦】北大西洋条約機構(NATO)は14日、ブリュッセルで首脳会議を開き、2030年に向けたNATOの改革方針を採択した。軍事的にも存在感を増す中国への対応を強化する方針を、NATOとして初めて明記した。

14日、ブリュッセルで、ストルテンベルグ・NATO事務総長(右)と会談するバイデン米大統領=ロイター
14日、ブリュッセルで、ストルテンベルグ・NATO事務総長(右)と会談するバイデン米大統領=ロイター

 首脳会議後に発表された共同声明は「中国の野心的で強硬な振る舞いは、ルールに基づく国際秩序や同盟国の安全保障に構造的な挑戦をもたらす」として、中国をロシアと並ぶ脅威に位置づけ、NATO全体で対応を強化する方針を明確にした。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は会議後の記者会見で、30年に向けてNATOが進める改革の意義を強調し、「中国の軍拡や影響増大に対し、NATOとして取り組んでいく」と述べた。「中国やロシアのような権威主義国家に対し、我々の価値観を守らなければならない」とも語った。

 共同声明では、人工知能(AI)や高速・大容量通信規格「5G」といった最新技術への対応も進め、サイバー攻撃などへの備えを強化する方針も示した。今回採択された改革方針を踏まえ、NATOは新たな行動計画「戦略概念」を22年に策定する。

 米国はNATO加盟国間で対中認識を共有し、協調して対応する体制を構築することを目指している。

 トランプ前政権は中国への圧力を強め、欧州にも同調を求めた。欧州各国の対中認識を変える一定の役割は果たしたものの、単独主義的な外交姿勢は反発を招いた。バイデン政権は対中強硬姿勢を継続しつつ、同盟関係を重視し、欧州からの信頼回復に努めてきた。

 米国の国力が相対的に低下し、台頭する中国に一国では十分に対応できないことも背景にある。ブリンケン国務長官は13日、米メディアのインタビューで、「各国が一体となって協力し、軍事的、経済的、外交的、政治的に同じ方向に進む時、信じられないほど強い力になる」と欧州との連携の重要性を強調した。

 一方でNATOは、気候変動対策など地球規模の課題では、中国との連携も進める方向性を示した。欧州連合(EU)にとって中国は最大の貿易相手でもある。一枚岩の中国対応ができるかどうかは不透明だ。ストルテンベルグ氏は「政治的な協議を深化させる」と述べ、加盟国の意見集約に注力する考えを示した。

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2124216 0 国際 2021/06/15 00:47:00 2021/06/15 01:01:05 2021/06/15 01:01:05 U.S. President Joe Biden attends a meeting with NATO Secretary General Jens Stoltenberg during a NATO summit, at the Alliance's headquarters in Brussels, Belgium, June 14, 2021. Stephanie Lecocq/Pool via REUTERS https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210615-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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