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香港、報道に圧力強化…アップル・デイリー 編集長ら逮捕 国安法違反容疑

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 【香港=吉岡みゆき】香港当局は17日、中国批判で知られる香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の編集長、羅偉光氏ら幹部5人を国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕し、同社の資産も凍結した。7月の中国共産党創設100年を控え、報道の自由が一定程度認められてきた香港で民主派寄りの報道機関への締め付けを一段と強めた。

17日、香港で、警官に連行される蘋果日報編集長の羅偉光氏(中央)=AP
17日、香港で、警官に連行される蘋果日報編集長の羅偉光氏(中央)=AP

 香港警察はこの日午前7時半頃から約500人態勢で蘋果日報本社を捜索し、パソコンのハードディスクなどを押収した。社内で仕事をしていた記者を食堂に移動させ、出社してきた社員に対しても、帰宅や食堂への移動を求めた。蘋果日報を発行する「ネクスト・デジタル」の張剣虹・最高経営責任者(CEO)や周達権・最高財務責任者(CFO)らも逮捕された。

 警察発表は、蘋果日報の報道は外国に中国、香港両政府への制裁を呼びかける内容にあたり、「外国勢力と結託し、国家の安全に危害を加えた」と判断したとしている。こうした記事が2019年以降、紙面やインターネットで数十本掲載されたという。警察はどの記事を問題視したのかは明らかにしていないが、香港紙・明報によると、警察が今後、こうした記事の削除を蘋果日報に求める模様だ。

 中国政府の香港出先機関・国家安全維持公署は「法に基づく職務執行を断固支持する」とコメントした。

 当局は、国安法に基づき、印刷会社を含め関連会社3社の資産計1800万香港ドル(約2億5700万円)相当を凍結した。社員800人以上への給与支払いに影響しそうだ。蘋果日報の経営を支えてきた創業者の 黎智英れいちえい 氏の個人資産も5月に凍結されており、経営は危機的とみられる。

 「ネクスト・デジタル」の労働組合は「報道の自由の重大な侵害だ」と非難する声明を出した。一方、蘋果日報は翌18日付の朝刊について、通常より40万部以上の増刷となる50万部を印刷すると発表した。発行の過程も動画で公開し、支持を呼びかけるという。民主派支持層の間では「白紙でも買い支えよう」との呼びかけが広がっている。

 しかし、香港当局が今後、「フェイク(偽)ニュース」を取り締まる条例の制定に乗り出し、さらに締め付けを強めるとの観測もある。政府トップの 林鄭月娥りんていげつが 行政長官は5月、「政府は偽ニュースの最大の被害者だ」と述べ、偽ニュースを禁止する他国の法令を研究していると明かしている。

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2134270 1 国際 2021/06/18 05:00:00 2021/06/18 05:00:00 2021/06/18 05:00:00 Police officers escort Ryan Law, Apple Daily's chief editor, at Apple Daily headquarters in Hong Kong, Thursday, June 17, 2021. Hong Kong police on Thursday morning arrested the chief editor and four other senior executives of Apple Daily under the national security law on suspicion of collusion with a foreign country to endanger national security, according to local media reports.(AP Photo/Kin Cheung) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT1I50016-T.jpg?type=thumbnail

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