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米、クアッド重視強める…最先端技術 日豪印と連携確認 「中国包囲」インドは温度差

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 【ワシントン=船越翔、横堀裕也】日米豪印4か国の連携枠組み「Quad(クアッド)」は13日、オンラインで開いた最先端技術に関する初会合で、この分野で国際ルール作りを主導する方針を確認し、海洋安全保障を含む幅広い連携に動き出した。会合を呼びかけたバイデン米政権は、中国に対抗する枠組みとしてクアッドを重視する姿勢をいっそう鮮明にしている。

データ量

 クアッドは、人工知能(AI)などの専門人材の育成強化に加え、AIや次世代通信などの開発加速で協力する方針でも一致した。来週にも作業部会を開き、議論を本格化させる。

 約1時間の議論は中国を強く意識したものとなった。参加した閣僚らが重視したのが、広範囲に及ぶ情報を蓄積した「ビッグデータ」の4か国間での共有だ。AIは大量のデータを分析させることで判断や予測の精度が上がるとされる。14億人超の人口を抱える中国のデータ量を前に、各国単独では太刀打ち出来ないが、4か国では総人口が19億人近くになる。

 米国のエリック・ランダー科学技術政策局長は「4か国の連携は極めて合理的だ」と語り、日本の井上科学技術相も「データこそが新たな付加価値の源泉だ」と述べた。豪州のマイケル・ペズロ内務次官は、中国が知的財産を搾取しているとの批判が絶えないことを踏まえ、「共通の価値観を持つ国が集まれば、知的財産を保護できる」と強調した。

期待

 最先端技術は経済成長に直結し、防衛力の優劣も左右するだけに、バイデン政権は競争力の強化を重視している。クアッド会合にあわせて行われた国際会議にはブリンケン国務長官、オースティン国防長官、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官らが参加する力の入れようだった。

 サリバン氏は基調講演で、中国など「権威主義国家」が人権活動家らを監視するために最先端技術を乱用していると主張し、「技術は民主主義に反するものであってはならない」と訴え、そのために同盟国などとのルール作りが必要だとした。

慎重

 クアッドの会合では、対中スタンスを巡って温度差も垣間見えた。日米豪は中国を念頭に「共通の価値観」という言葉を繰り返したが、インド代表は技術に関する発言が大半で、慎重な言い回しが目立った。インドは全方位外交を掲げており、対中包囲網としての性格が強まれば、クアッドと距離を置く可能性もある。

 4か国では、中国と共同で最先端技術の開発や研究を行っている企業や大学も少なくない。この分野で規制や基準が導入されることになれば活動に影響が及ぶとして、性急なルール作りへの懸念が強まるとの見方もある。

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2207489 1 国際 2021/07/15 05:00:00 2021/07/15 05:00:00 2021/07/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210715-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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