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【ベルリン=中西賢司】政界引退を表明しているドイツのメルケル首相は1日、英北部グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)首脳級会合で演説した。26年前にベルリンで開かれた第1回会議で担当相として議長を務めたメルケル氏は「私が参加する最後のCOPになる」と切り出し、先進国による途上国への支援強化など、温暖化対策の充実を訴えた。
1995年のCOP1は、ルールがなかった2000年以降の温室効果ガス対策を巡り、先進国と途上国が激しく対立。メルケル氏が調整に動き、約10日間の日程の最終日、COP3までに先進国が削減目標を決めることで折り合いをつけた。これが2年後、世界初の削減枠組みとなる京都議定書につながった。
四半世紀を経た演説で、メルケル氏は「我々はまだ、あるべき場所に至っていない」と述べて対策が不十分だとの認識を示した。「先進国には特別な責任がある」と強調し、ドイツとしても途上国への資金拠出を増やすほか、米国などと南アフリカで再生可能エネルギーへの転換を支援する考えを示した。