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【グラスゴー(英北部)=蒔田一彦、山下真範】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席した米国のバイデン大統領は、2日間にわたる首脳級会合が終了した2日、グラスゴーで記者会見し「我々は多くのことを成し遂げた」と述べて、成果を強調した。COP26は3日、合意に向けた各国代表による交渉が本格化した。

バイデン氏は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への米国の復帰後、初のCOP出席について「国内の気候変動に対する野心を高め、世界各国への支援を表明したことは非常に重要だった」と振り返った。成果として、2030年までに温室効果ガスの一種「メタン」の排出量を20年比で30%削減する米欧主導の取り組みへの参加国が100を超えたことを挙げた。

ただ、この取り組みに中国は加わらなかった。バイデン氏は中国の
議長国の英国のジョンソン首相も2日に記者会見し、岸田首相が表明した5年間で最大100億ドル(約1兆1400億円)の追加支援を「大きな献身」と評価。COPの成果を「慎重だが楽観的に見ている」と述べた。日本の代表団幹部は「岸田首相の演説で50年の温室効果ガス排出の実質ゼロに向け、着実に前進すると発信できた」と強調した。
インド外務省の高官は2日の記者会見で、70年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標に「多くの反響があった。大胆な発表と受け止められたと思う」と自賛した。ただ、50年までと目標を掲げる米欧との認識とはかけ離れている。中国外務省の報道官は3日の記者会見で、米国は温室効果ガスを累積で最も排出している国だとして、「歴史的責任を直視すべきだ」と述べ、米欧などと一線を画す姿勢を示した。
COP26は、産業革命前と比べた世界の気温上昇幅を1・5度に抑える目標などでの合意を目指す。12日までの会期で各国代表が交渉を続け、9日からは閣僚級で大詰めの協議に入る。
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