「集団殺害や人権侵害など考慮」米、北京冬季五輪の外交的ボイコット発表…選手団は派遣へ

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 【ワシントン=蒔田一彦、ロンドン=岡田浩幸】米国のジェン・サキ大統領報道官は6日の記者会見で、来年2月から開催される北京冬季五輪・パラリンピックに政府関係者らを派遣しないと発表した。選手団は派遣する。米国内では議会を中心に、中国政府によるウイグル族など少数民族に対する人権弾圧に抗議するため、「外交的ボイコット」を求める声が高まっていた。

 サキ氏は「中国が新疆ウイグル自治区で続けているジェノサイド(集団殺害)や人道に対する罪、その他の人権侵害を考慮した」と説明。「人権侵害を考えれば、通常通りに物事を進めることはできないというメッセージだ」とも強調した。

ホワイトハウス
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 バイデン政権は、民主主義や人権を外交の中心課題として位置付け、各国の人権問題に対して厳しい態度で臨む姿勢を鮮明にしてきた。「外交的ボイコット」は、少数民族や香港の民主派への弾圧などを続ける中国への圧力を強める狙いがある。今回の決定はすでに中国側に伝えたという。

 選手団派遣については「自国から声援を送りながら彼らを100%支援する」と述べた。米国内には選手も含めた全面的なボイコットを求める意見もあるが、「五輪のために血と汗と涙を流してトレーニングしてきた選手たちは大会に出場することができるべきだ」とし、政治的な理由で選手の出場が妨げられるべきではないとの考えを示した。

 米国は五輪への対応について同盟国などと協議を重ねてきた。サキ氏は「各国の判断に委ねる」と述べ、米政府として同調を求めていないことを強調した。

 英国など欧州の複数の国も「外交的ボイコット」を検討しているとされている。今回の米国の決定が、日本も含めた各国の対応に影響する可能性がある。ロイター通信によると、ニュージーランドは10月、中国側に閣僚級の政府関係者派遣を見送る意向を伝えた。新型コロナウイルスの感染拡大などを理由としているという。

 外交的ボイコットを強く主張してきた米議会からは、「価値観を共有する同盟国・パートナー国にも、米国と共に外交的ボイコットに加わるよう呼び掛ける」(民主党のロバート・メネンデス上院外交委員長の声明)といった声が上がっている。

 一方、国際オリンピック委員会(IOC)の報道官は声明を出し、「政府当局者の出席は各政府による政治判断であり、IOCは政治的中立性からそれを尊重する」との見解を示した。

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2576166 0 国際 2021/12/07 03:34:00 2021/12/07 11:10:22 2021/12/07 11:10:22 ホワイトハウス。米ワシントンで。2017年2月10日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211207-OYT1I50023-T.jpg?type=thumbnail

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