台湾、市場開放・対米関係強化へ前進…米産豚肉禁輸などの住民投票不成立

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 【台北=杉山祐之】台湾で18日、赤身を増やす飼料添加物を使った豚肉の全面輸入禁止など4案件の是非を問う住民投票が行われ、反対多数で全件が不成立となった。市場開放を進め、米国との全面的な関係強化や環太平洋経済連携協定(TPP)加盟を目指す 蔡英文ツァイインウェン 政権にとって、実質的な勝利だ。

17日夜、蔡英文総統(中央)らは台北での集会で、添加物入り豚肉禁輸への反対を訴えた=蔡氏のフェイスブックより
17日夜、蔡英文総統(中央)らは台北での集会で、添加物入り豚肉禁輸への反対を訴えた=蔡氏のフェイスブックより

 中央選挙委員会(選管)によると、焦点の豚肉禁輸案件では、賛成393万6554票、反対413万1203票だった。投票率は41・09%だった。

 蔡総統は18日夜、「人々は国際社会に積極的に参加していくことを望んだ」と述べた。

 蔡政権は、民主主義諸国、特に米国との連携を強めて中国の圧力に対抗しようとしており、安全保障を含む総合的判断から、今年1月、この飼料添加物を使った米国産食肉の輸入を解禁した。だが、食の安全への関心が強い層から反発が上がり、これに乗る形で最大野党・国民党が中心になって署名を集め、住民投票に持ち込んだ。

 法律により、投票結果は2年間当局を拘束する。

 蔡氏らは市場開放の後退となる禁輸について、「成立すれば国際的信用が失われる」と強調、食肉輸入解禁を受けて本格化した米台経済対話や、9月に正式申請したTPP加盟などの「重大な障害」になると訴えてきた。事前の各種世論調査では、禁輸賛成が反対を上回っていたが、与党・民進党の組織もフル回転、人々の不安 払拭ふっしょく に努めた。

 肉の安全性を理由にした禁輸に「科学的根拠がない」(中華経済研究院の李淳博士)との指摘もあった。

 今回の不成立で、福島など日本の5県産食品の輸入解禁の可能性も出てきた。2018年の住民投票では5県産食品の輸入禁止案件が成立し、昨年まで当局を縛り続けた。

 一方、政権奪還を目指す国民党には、極めて厳しい結果となった。 朱立倫ジューリールン 主席は、全件成立に向けて全党に総動員令を出したが、住民投票にかかった原発の地元首長で、2024年の次期総統選の有力候補とされる 侯友宜ホウヨウイー ・新北市長が「自由意思」の投票を強調するなど、党内の足並みが大きく乱れた。

スクラップは会員限定です

使い方
「国際」の最新記事一覧
2608454 0 国際 2021/12/18 21:32:00 2021/12/18 22:06:41 2021/12/18 22:06:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211218-OYT1I50109-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)