37歳とされる金正恩氏、10年で権力盤石に…神格化には至らず

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金正恩氏(2019年6月)=ロイター
金正恩氏(2019年6月)=ロイター

 北朝鮮の 金正恩キムジョンウン 朝鮮労働党総書記の権力集中について慶応大の礒崎敦仁教授(北朝鮮政治)に聞いた。

 10年前の 金正日キムジョンイル 総書記の葬儀で、正恩氏と共に霊きゅう車を囲んだ幹部7人は、粛清や世代交代で全員が表舞台から消えた。当時、正恩氏がこれほど速く独自体制を確立し、核と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を誇示しながら、対米交渉に臨むと考えられてはいなかったのではないか。

 正恩氏は権力を盤石化し、体制を永続化させることに集中してきた。その過程で党規約や憲法を改正し、頻繁な人事を行うなどの試行錯誤を繰り返した。人事や政策変更が迅速にできるということは、権力が一元化されている証拠だ。

 権力の盤石化は「親離れ」から始めた。最初は祖父の 金日成キムイルソン 主席と金正日総書記との連続性を重視し、自身の正統性を確保してきた。しかし、正恩氏の演説から徐々に、先代指導者の名前や「主体思想」「先軍思想」といった先代の思想の名称が聞かれなくなった。独自性を発揮できる段階に至ったということだ。

 一方で、金日成氏や金正日氏のような正恩氏の肖像をあしらったバッジはない。現時点では生年が発表されず、誕生日が祝日化されていない。つまり神格化にはブレーキをかけてきた。その理由は、経済の立て直しという先代からの課題が残ったままだからではないか。

 経済再建には経済制裁の解除が必要だ。そのために、米国との交渉を進めていかなければならない。だが、バイデン政権誕生と新型コロナウイルスの流行などで外交が動かなくなっている。

 しかし正恩氏には時間がある。現在37歳とされ、1948年の北朝鮮建国時の金日成氏の年齢(36歳)とほぼ同じだ。金日成氏の長期政権はその後、46年間に及んだ。これと関連付けるなら、正恩氏が今後40年から50年間、北朝鮮を統治することを視野に入れておかなければならない。経済再建のために、対米交渉を長期戦で、タイミングを見ながら行っていく。彼にはその時間があるということだ。

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