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【モスクワ=田村雄】ロシアがウクライナへ侵攻を始めた24日、露独立系人権団体の集計によると、露国内約60都市で侵攻への抗議行動が展開された。治安当局は1800人超を拘束し、国内の反発を力ずくで押さえつける構えを鮮明にした。露通信監督局は24日、国内メディアに、ロシアの公式発表のみを伝えるよう求め、報道統制も強化した。

「戦争反対!」。モスクワの中心地では24日夜、ウクライナ侵攻に抗議するシュプレヒコールが断続的に響いた。この抗議活動は、多数の警察官らに封鎖された広場で行われ、参加者は抗議のプラカードを掲げるとすぐに拘束された。
参加したディアナさん(33)は「クリミア(併合)の時は、ロシアのやり方は穏当だったと思うが、今回はまさに戦争だ」と憤慨した様子で話した。
2014年のウクライナ南部クリミア併合の際、プーチン政権は愛国心に訴え、国民の支持を集めた。
しかし今回は、インターネットで侵攻の中止を求める署名運動が始まり、賛同者はすでに50万人を超えた。SNSでは24日を「暗黒の日」と位置付け、真っ黒な画面を投稿して抗議の意思表示をする動きが広がった。
昨年にノーベル平和賞を受賞した露独立系新聞編集長のドミトリー・ムラトフ氏は、「ロシアはプーチン氏の命令で戦争を始め、戦争を止められる人は誰もいない」と嘆いた。数百人の学術研究者らは共同で「多大な犠牲と、世界の安全保障の基盤を弱体化させる」と訴える公開書簡を発表した。